Anime-TALE 3 / 真紅の目覚め
最後は・・・防御せよローゼンメイデン第3話です。
「静」 と 「動」 を意識したような演出は、きれいな音楽と映像によって一層効果が高められているみたいに感じます。 アニメ映像と紙に描かれる漫画とでは、同じものを描いても、随分と違った印象を与えるものなのだなと改めて思いました。
今回の内容
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
<あらすじ>
メールを送って来ているのは本物の過去の自分だ、ジュンは確信する。 自分のあずかり知らぬところで、なにか(尋常ではない)面倒事に巻き込まれてしまったのだ。 事態の把握も儘ならぬままに夢からnのフィールドへ連れ込まれたジュンであったが、大量のフェイクの中から隠された本物のパーツを見つけ出す。 ジュンの手によって真紅は呼び起こされる。・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
今回はジュンの作った人形に真紅が宿るところで終わりますが、これは原作のTALE2の終わり方と同じです。 今のところ、アニメ2話で原作の2話に対応しています。
回想も丁寧に描かれています。
原作旧シリーズで描かれた大事なシーンは、これからもこのような回想という形で挿入されていくのだと予想されます。
『少女のつくり方』 休刊
前回第2話の最後で『少女のつくり方』 休刊のお知らせが届きましたが、今回はその続きからです。
この 「お知らせ」 から読み取れることがいくつかあります。
- 人形製作は第7ドール (雪華綺晶) によって妨害された、つまり人形の完成は彼女にとってあまり好ましいことではない
- ここからは配送ではなくセルフサービスになること
- nのフィールドに行けばパーツを回収できるかもしれないこと、その際、(配送を妨害してくるくらいだから)何らかの危害を加えてくるおそれもあること、そもそもnのフィールドとは何か
nのフィールド
とりあえず、nのフィールドとは 「その他の世界」 「不思議な空間」みたいな認識でいいかもしれません。
真紅を含めて、ほとんどの作中の登場人物もnのフィールドについて詳しくは知りません。
例外はラプラスの魔で、彼(?)は大抵のことは知っています。
nのフィールドへは今回のように夢の中からや、あとは鏡を通り抜けて行くことができます。
nのフィールドに置かれた大量のフェイクパーツ
nのフィールド自体が仮説的で曖昧な領域なので、そこに含まれるモノもまた理性的な定義を与えられることはないようです。
nのフィールド内には法則が存在しません。 虚実が分かち難く混在し、自分の 「現実」 は自分で定義していくことになります。 主観だけが意味を持ち、おそらくは客観という概念が存在しない世界です。
物理的な器を与えられなかったアストラル体の雪華綺晶が存在していられるのは、そういう輪郭を持たない世界なのです。
そういう場所なので、「生粋のnフィールドっ子」 である雪華綺晶がフェイクのパーツを大量に作り出すことなど造作もないのだと思います。
ジュンも、強い意志で本物パーツを求めたので、わりと早く本物のパーツを探し出せました。
真紅
ジュンの作った人形に、真紅が宿ります。
ジュンの作り上げた人形が最初から真紅だったわけではなく、ジュンという人間が真紅を想いながら作った器としての人形を、真紅の意志が自分のいるべき場所だと認識したので 「真紅」 となりました。
なので、人形が 「真紅」 になった時、姿形も真紅になりました。
髪の毛が生えたり、皮膚が柔らかくなったり。
「仮の器でいい、材質の問題じゃなく、誰が作るかなんだ」
と、今回の中学生のジュンもメールで言っていましたが、そういうわけです。
「甲板には小さなサルがいた」
謎の絵本、第2話目です。
甲板には小さなサルがいた。
マストにつながれて、
ぴょんぴょん跳ねている。
長い航海のあいだ、
みんなが可愛がるペットなんだって。
でもこのサル、私はちょっと怖い。
キーッて歯をむくんだ。
マストにつながれて、
ぴょんぴょん跳ねている。
長い航海のあいだ、
みんなが可愛がるペットなんだって。
でもこのサル、私はちょっと怖い。
キーッて歯をむくんだ。
次回予告
第4話「ティーポット」
放送日 : 2013年7月25日 (TBS)
< アニメ TALE 3 「真紅の目覚め」 >
・放映日: 2013年7月18日(TBS)
・登場人物: 桜田ジュン、店長、斉藤さん、真紅
・原作範囲: 『ローゼンメイデン』 TALE2、 『Rozen Maiden』 PHASE27 (回想シーン)
[ ブログ内関連ページ ]
◆2013年の「ローゼンメイデン」新アニメ 7月よりTBS系列にて
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Anime-TALE 2 / 少女のつくり方
ぼくがいるべき場所は、きっとここじゃないローゼンメイデン第2話が放映されました。
原作に忠実なストーリーでありながら、音楽や演出による効果もあって、展開を知っていてもドキドキさせられました。 ミステリー&ホラーチックな回です!
今回の内容
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
<あらすじ>
大学生になったジュンは、アルバイト先の書店で一冊の本と出会う。 その表紙を開いた時から、ジュンの元へ次々に人形のパーツが届けられるようになる。 送り主も分からないままに人形を作り始めるが、過去の自分を名乗る者からのメールを受けた日、人形のパーツはもう送られてこないことを知る。 ジュンの手元には、未完成の人形だけが残された。・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
今週から、「ぜんまいをまかなかったジュンの世界」 編突入です。
ジュンは 「まきません」 を選ぶ。
物語は立ち上がらない。
彼はリアルの世界に、生身を晒していかなければならないのだ。
原作で言えば 「TALE1」 全部と、あと 「TALE2」 の冒頭部分にあたります。
時間を割いて、1場面ずつが丁寧に描かれています。
桜田ジュン
「まきません」 を選択したジュンは、引きこもりを脱して大学生になっています。
中学生の時は 「引きこもりを脱する」 という自己実現の方法があり、ただその目標に向かっていれば前進できていたのですが、実際に自力で引きこもりを脱したのちは外の世界にも何もないことを知ってしまい、そこで目標を見失ってしまいます。 この大学生のジュンは中学時代より深刻にアイデンティティを欠損してしまっているように見えます。
そういう意味で大学生になったまかなかったジュンは、生まれながらにアリスゲームという過酷な宿命を背負わされているローゼンメイデンたちとは、より対比が鮮明になっています。
「開けますか 開けませんか」
前回1話の最後でまいたジュンが扉を「開ける」という選択をしましたが、それに対応しているかのように、今回は本の表紙を「開く」ことで、まかなかったジュンがローゼンメイデンの世界へアプローチします。
◆ ◆ ◆
もし 「まきますか、まきませんか」 のどちらにも答えず、そのまま紙を丸めて捨ててしまっていたら、今回の 『少女のつくり方』 との出会いもなかった・・・そんな気もします。
『少女のつくり方』
毎号集めると真紅が完成、創刊号はゼンマイが付いて1280円。
ジュンの元へ送られてくる、今のところは送り主が不明の雑誌。 ※ 作中でも (現実でも) 市販はされていません。
第2話は 「少女のつくり方」 休刊のお知らせが届いたところで終わります。 製作途中で休刊となったために、人形は未完成のままです。
ちなみに、現時点で足りていないパーツは 「頭部」 と 「右足首部」 の2つ。
斉藤さん
今回、印象的だったのが斉藤さんの演技です。
原作でも、その見事なまでのオーバーアクションぷりはジュンに感心されますが、アニメで声が付くとインパクト増大します!
演劇をやっているので普段から仕草がちょっとオーバーで、見る人に芝居がかった印象を与えるようです。
何も知らない方が見ると、斉藤さんはなにか 「演技」 していそうなので 「裏がありそう」 みたいに思われそうですが、そんなことは全然ありません。
斉藤さんは、原作でも未だ下の名前は不明です。
店長
チャラいです、アニメだとチャラさ倍増です。
(演じてる声優さんが、店長の軽さといい加減具合を上手に演じていらっしゃいます)
ただ、店長も現代社会を生きる青年です。
彼なりに模索して今の生活を手に入れ、ささやかながら自分の領域をこの世界に確保したのだと思います。 ジュンは店長を否定しつつも、どこかそんな店長を羨ましいとも思っているかもしれません。
自分の世界の外にいる人間を認めようとしない点、また相手を下に見ることで領域を堅守しようとしている点も、自分の周りに壁を築いている今のジュンと似ている気がします。
店長は仲間内では人気ありそうですし、自分の領域内にいる仲間に対しては思いやりがありそうな印象です。
「私の叔父さんは船乗りだ」
途中、原作にはないアニメオリジナルで、絵本のような話が挿まれます。
私の叔父さんは船乗りだ。
魚を獲るために、世界中へ行くんだ。
その叔父さんが久しぶりに帰ってきた。
私は初めて港へ遊びに行って、
船にも乗せてもらった。
揺れる板の橋を渡るの。
甲板は少しなまぐさい。
魚を獲るために、世界中へ行くんだ。
その叔父さんが久しぶりに帰ってきた。
私は初めて港へ遊びに行って、
船にも乗せてもらった。
揺れる板の橋を渡るの。
甲板は少しなまぐさい。
今回はもう1シーン、アニメオリジナルの表現があって、やはりそこでも海が関係しています。
大学生のジュンが過去を振り返り、理想だった自分と現在の自分とが隔てられてしまっていることを痛感しているような場面です (ここは理想と現実の 「隔て」 を表現するために海峡という風景を出して、海によって隔てられた理想の地を、対岸から無力感に苛まれながら眺めている、と、とりあえずは解釈してみました)。
「あの頃からやり直せたら」 というジュンのセリフが入りますが、その想いがnのフィールドとまかなかった世界を繋げた、みたいな感じにとれるように原作でも描かれます (ジュンが 「少女のつくり方」 と出会うのはこの直後)。
この海峡のシーンで女の子の笑い声が入るのですが、その声と「船乗り叔父さん」の絵本を朗読する声が同じようにも聞こえる気がしないでもなくもないです。 なにか繋がりがあるかもしれません (ないかもしれない)。
あと、ローゼンメイデン関連で船と聞いて思い出すのは、結菱一葉の双子の弟・二葉が乗っていた豪華客船ダイナ号と PHASE28 で描かれたデカルトの船と人形の話ですが、さすがにそれらは関係なさそうです。
また、世界中を駆け巡っていて時々帰ってくるという叔父さんが、世界を飛び回って骨董商を営むジュンやのりの両親を彷彿とさせられますが、それもあまり関係なさそうです。
いずれにしても、この絵本の続きはこれからもちょくちょくと本編に挿まれると思いますし、回が進むうちに自ずと謎も解けていくと思われます。
メール
過去の自分を名乗る者から送られてきたメール。
ジュンは当然、イタズラか詐欺の類のメールだと疑う。
しかし、詐欺にしてはメールの内容が飛躍しすぎている。 突飛な話なだけに、逆にそこから緊迫感や真実味のようなものを感じとれる。 もちろん、そういう心理を突いた詐欺やイタズラである可能性は否定できない。
原作だと、このメールを受けとったところで第1話が終了となりました。
次回予告
第3話「真紅の目覚め」
放送日 : 2013年7月18日 (TBS)
http://www.tbs.co.jp/anime/rozen/story/index-j.html#story03
< アニメ TALE 2 「少女のつくり方」 >
・放映日: 2013年7月11日(TBS)
・登場人物: 桜田ジュン、店長、斉藤さん
・原作範囲: 『ローゼンメイデン』 TALE1,TALE2
[ ブログ内関連ページ ]
◆2013年の「ローゼンメイデン」新アニメ 7月よりTBS系列にて
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- 2013年の「ローゼンメイデン」新アニメ 7月よりTBS系列にて
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