山とスキーとローゼンメイデン

登山、スキーについてのブログです。 また、ローゼンメイデンについての記事も書いています。

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ローゼンメイデン0-ゼロ- 第2階

ローゼンメイデン0-ゼロ- / 第2階

ここは夢と現のはざまの塔だから



すべての始まりは夢からだった。
そこに眠っていたのは、世にも美しい少女…。



■ 12階

この日も坊ちゃんは遥雲閣へ来ていた。
街も人も塔も、いつもと変わらないように見えた。

昇降機ガールが前日から姿を見せない、という話を小耳に挟む。
多くの人にとっては、それも取るに足らない些末なニュースのようだった(明日になれば、全てはまたいつも通りに戻っているのだろう)。

ただ、その昇降機ガールが菊の妹だと聞かされていた坊ちゃんには、少し引っかかるものがあった。


坊ちゃんを乗せたエレベーターは12階に到着する。
ここが塔の最上階で、展望室となっている。

これより上に階は存在しない。



■ 魔法つかいの建てた塔

坊ちゃんは、この12階からの景色が好きだった。

東京の街を一望できるくらいに高かったし、同時に、路地の様子や往来する人たちの背格好もはっきりと認識できるくらいに低かった。
遠眼鏡でのぞきこめば、いつもの日常世界は消え失せ、全く新しい世界が立ち上がってくる。

この展望室は高すぎもしないし低すぎもしない、ちょうど「はずま」のような高度にあった。

この塔を建てた人物は「幻郷」の出現する高さを、きちんと知っていたのかもしれない。


 「魔法つかいが建てたなんて触れ込みも、頷ける」

坊ちゃんは、一心不乱に遠眼鏡の中の世界を覗き続ける。
せっかく開かれた「幻郷」の扉が、閉じてしまわぬように。



■ 夢と現のはざま

やがて日没を迎える。
吹きさらしになっている展望室は、いよいよ風が冷たい。
時間切れのようだった。

この日も、坊ちゃんは薔薇乙女を見つけることができなかった。

下の階の休憩室へと降り、それから自分は少し休んでからいくと言って、付き添いの運転手を先に車に帰す。
坊ちゃんは一人で休憩室の椅子に座り、目を瞑る。


少し眠ってしまったようだ。
気付くと、あたりはすっかり薄闇に包まれていた。
自分の他には誰もいない。

いつかの夢で見た汽車の中の風景みたいだ、と坊ちゃんは思う。
もしかしたらここは、初めて薔薇乙女に逢ったあの夢の続きなのかもしれない――夢と現実が混ざり合うあの領域――。

休憩室にぼんやりと灯りがともり、窓の外は一段と暗くなる。


そして、水銀燈が現れる。



■ 水銀燈

坊ちゃんは薔薇乙女の姿を見てもあまり驚かない。
むしろこの場所では、そうして現れることのほうが自然で当たり前のように思われた。

水銀燈は、そんな坊ちゃんのリアクションに少しがっかりする。
もうちょっと驚いてくれたり怖がってくれたほうが、水銀燈としては主導権を握りやすいから。


坊ちゃんは、自分は薔薇乙女のうちの一人を探し求めている、しかし探しものは君ではない、と水銀燈に告げる。

水銀燈もそれ以上深く追及しない。
この坊ちゃんが姉妹の誰を探してるかは、あまり重要ではないようだった。


 「貴方は夢幻の中に『薔薇乙女』の誰かを探している」

水銀燈は言う。

 「この私もね」


坊ちゃん同様、水銀燈も薔薇乙女の一人を探しているらしい。
探しているのは「第0ドール」、8人目の姉妹。



■ 菊と翠星石の決意

菊は、華の行方不明のことを帰宅した坊ちゃんから知らされる。

心配させまいと平静を装ってはいるけれど、誰よりも妹の華のことを知っている菊が動揺していることは、翠星石にも伝わってきた。


菊は、明日は休みをもらって遥雲閣へ行ってみるつもりだと言う。
翠星石もその手助けをしたいからと、同行を申し出るのだった。




次回は2016年5月号(4/19発売)掲載予定


【 今回のあらすじ 】
遥雲閣に通い詰める坊ちゃんの前に水銀燈が現れる。水銀燈もまた薔薇乙女の一人を求めて、この塔に辿りついたという。探しているのは第0ドール。一方、妹の華が姿を消してしまったと聞かされた菊も、手がかりを追って、翠星石と共に遥雲閣へと向かうことになった。



【 今回のローゼンメイデン 】

第1話の時点でいろいろと謎が出てきたので、今回の第2話で少しは状況が整理されると思いきや、逆にさら広がっていき、絡まった糸がますますこんがらがってしまったような印象を受けました。
物語はいよいよ複雑な様相を呈してきました(もちろん良い意味で)。

今回は水銀燈の登場と、そして「第0ドール」が衝撃的でした。



▼ 水銀燈

『Rozen Maiden』『ローゼンメイデン』に続きこのシリーズでも、水銀燈は2番目に登場した薔薇乙女となりました。

水銀燈は起承転結の「承」の役割を担っているようで、彼女の登場によって物語がさらに広がっていく印象を受けます。

第2階 水銀燈登場


今回、水銀燈は「第0ドール」をストーリーに持ち込みます。



▼ 第0ドール

水銀燈は「第0ドール」を探していると言う。
第0ドールが既に登場していてる誰かなのか、全くの新しいキャラクターなのかは不明。

物質の器を持たない(「ジャンクにもなれない哀れな幻影(→ TALE 10)」の)雪華綺晶のことを言ってるのかとも思いましたが、水銀燈は「8人姉妹」と明言しているので、少なくとも既出のローゼンメイデン7姉妹の誰でもないのは確かなようです。

もちろん水銀燈の思い違いにすぎない可能性もありますが、彼女はその存在を強く確信しています。


◇ 「第8ドール」ではない8人目の薔薇乙女

8人目のローゼンメイデンが、「第8ドール」ではなく「第0ドール」であることは不思議です。

そして「第0ドール」の存在を知っているのは、おそらく第1ドールである水銀燈だけだと思われます(少なくとも、今回「七姉妹」と言っていることから、翠星石は第0ドールの存在を知らない)。

翠星石と水銀燈(と読者)
8人目の存在を知っているのは水銀燈だけ?


以上の点から推測できることの1つは、水銀燈が作られた直後、初めてお父様の箱庭世界に連れてこられた時に、そこで「第0ドール」の姿を目にしたのかもしれない、ということです。
と言うのも、もし街や森で突然見知らぬドールが水銀燈の目の前に現れて、その相手がローザミスティカを持つローゼンメイデンだと分かったら、まず新しい妹「第8ドール」と考えるのが自然なので。というか、もしこれが過去編なら、まだ水銀燈は雪華綺晶の姿を見てないということになるので、その新顔が「第7ドール」であると考えるはずです。

第7や第8ではなく、やや飛躍して「第0ドール」であると水銀燈が確信したのなら、その確信に至るシチュエーションというのはかなり限定されてくると思われます。


もし、最初の薔薇乙女であるはずの自分よりも先に姉が存在していたということになれば、水銀燈にとってはかなり衝撃だったと思います。そして長い間、他の姉妹にも話さず共有もできず、重大な秘密と不安を一人で抱え込んでいたということになります。


その他、ローゼンメイデン・シリーズの大腿部内側にはナンバーが刻印されていますので、水銀燈がそれを見た可能性も考えられます。


◇ 第0ドールと13階

そもそも序数詞ではない 0 をナンバリングしたドールというのは、今回坊ちゃんが言った通り、本来であればおかしいですし成り立たない気もします。

ただ「序数としての0」に関しては、例えば、イギリスなどヨーロッパの多くの国では「Ground Floor」の概念がありますが、これは建物によっては「0階」と表記されることもあるようです。考え方の違いから来るものですので、日本人にしてれみば0階なんておかしな感じですが、それを使う国の人たちにとっては当然の感覚なのだと思います。

さて、もし遥雲閣十二階に0階があってそれを含めて12階だと言ってるのだとしたら、日本での数え方では遥雲閣の最上階は13階ということになり、ここに、ないはずの13階が出現します。

もちろん、遥雲閣は日本の建物ですから12階は12階ですし、作中での13階出現はそういう意味ではありませんでしたが、茫洋とした第0ドールのイメージを何とか掴むために(便宜的に0を序数として用いている)「Ground Floor(0階)」という考え方を持ち込んでみるのも、1つの手がかりになるのかもしれません。



▼ 十二階 ――魔法つかいの建てた塔――

◇ 展望室からの眺め

十二階の展望室に上がりそこから遠眼鏡で覗くことで、いつものよく知っている世界が全く違った世界に見えてくる、と坊ちゃんは言います。

「別の世界から見た現実世界」というのは真紅が『第0世界』で状況を説明した時のセリフですが、これに通じるものがあるようにも思えます。 《→ 『Rozen Maiden』PHASE4》

RozenMaiden Phase4 第0世界
『Rozen Maiden』Phase4の第0世界


◇ 夢と現のはざまの塔

坊ちゃんはまた、遥雲閣を「夢と現のはざまの塔」と表現します。

そして夢と現の「はざま」というのは、プラスのマイナスの「はざま」に位置する 0 という数字を彷彿とさせます。
『ローゼンメイデン0』では既に「出現(プラス)」と「消失(マイナス)」が頻出していますが、それらがこの遥雲閣を起点としているところも興味深いです。

数字がプラスとマイナスを行き来するには、どうしても「0」というポイントを通過する必要があるのと同様に、遥雲閣にも何か「出入り口」的な要素があるのかも・・・とか。



▼ 出現と消失

状況整理もかねて、少しだけ書き出してみました。

□ 本来は存在しないはずなのに、世界に出現したもの
・ 薔薇乙女
・ 遥雲閣の13階
・ 第0ドール
・(坊ちゃんの夢の中に出てきた紳士)
・(12階展望室から覗く遠眼鏡の中に出現する「幻郷」)

□ 存在すべきなのに、世界から消えてしまったもの
・ 菊の妹・エレベーターガール華
・(翠星石の記憶、鞄、蒼星石)
・(人工精霊) ← 単に描く必要がなかっただけの可能性大



▼ 坊ちゃんの探している薔薇乙女 = 真紅

水銀燈の登場や第0ドールの存在でますます謎が深まった今回第2階ですが、判明したこともあります。
その1つが、坊ちゃんの探している薔薇乙女は真紅であるということ。

坊ちゃんは夢の中で真紅を見てから、すっかり心を奪われたという。
以後、本当に存在するかも分からない薔薇乙女について熱心に調べ始めます。

今回、水銀燈は何か思惑があるのかないのか、坊ちゃんの薔薇乙女探しの手助けをすると申し出ます。もし彼の探しているのが真紅だと知っていたら、また少し違ったことになってたかもしれません。




<第2階>
掲載: ウルトラジャンプ 2016年4月号 / 3月19日(土)発売
ページ数: 28ページ
登場人物: 菊、坊ちゃん、運転手さん、翠星石、水銀燈
備考:



[ 関連ページ ]
前回 ローゼンメイデン0-ゼロ- 第1階


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ローゼンメイデン (「週刊ヤングジャンプ」 にて連載) が最終回を迎えました。

まずは、原作者のPEACH-PIT先生に 「お疲れ様 & ありがとうございました」 と言いたいです。


ローゼンメイデン FINAL TALE


読後感は目覚めの良い朝みたいにとても爽やかな、それでいて、わずかに残った幸せな夢の余韻が切ないような、そんな気分です。

最終回とか関係なしに、しばしの間、この想いに浸っていたいです。




最終回 - FINAL TALE -


まいたジュンは今、大きな目標を掲げて邁進中。
その目標とは、失われた真紅のローザミスティカを新たに創り出し、真紅を目覚めさせること。 ジュンはこれから世界中を廻る旅に出るという。

旅立つジュンの姿は、バーズ版 (『Rozen Maiden』) のラスト、真紅のボディを取り戻すために出立するシーンとも重なります。

でも今回は一人で扉を開くのではなく、他のローゼンメイデンたちのドールと一緒です。

この旅について語られることはもうないかもしれませんが、ジュンたちならきっと、成し遂げられる気がします。


         _/ _/ _/_/ _/ _/ _/ _/ _/ _/ _/ _/ _/ _/ _/ _/ _/


2002年に始まったローゼンメイデンたちの物語も、これで一旦おしまいです。

PEACH-PIT先生は他にもいくつかの着地点・着陸姿勢を考えていらしたと思いますが、今回の終わり方はその中でも最良の選択だったのでは!?と思えるくらい、綺麗にまとまっていました。


でも、本当に終わってしまうのですね。

これが望みうる最高の最終回の形であろうことは疑いの余地もありませんし、惜しみのない拍手を送りますが、それでも連載が終わってしまうという現実のもたらす喪失感やさみしさは、やはりどうしようもないところです。


    ・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

カラー扉絵



扉絵 ローゼンメイデン FINAL TALE
ローゼンメイデン最終回 カラー扉絵 <週刊ヤングジャンプ 2014年8号掲載>


7人のローゼンメイデンたちが描かれています、みんな幸せそうな表情です。

このイラストに描かれたモチーフは読者の願いでもあり、同時に、薔薇乙女を創った人形師ローゼンの望みでもある気がします。


    ・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

雪華綺晶


幸せそうな雪華綺晶を見ることができた、というのも嬉しいです。
これは 「最良の最終回」 と感じさせてくれる大きな要因だと思います。


真紅の鞄で眠る雪華綺晶に対して発せられるジュンのセリフが印象的です。

最終回 眠る雪華綺晶

安心して目をつぶって眠る雪華綺晶の姿は、生まれたての動物みたいです。


 「……よかったなおまえ、初めてゆっくり眠れるんだな」

このジュンのセリフと描かれた絵は、(逆説的)に 『新装版 Rozen Maiden 第7巻』 の扉イラストを想起させます。

それは鞄に入ることもなく夢を見ることもできず、ただ体を丸め虚空の一点を見つめるだけの雪華綺晶の姿を描いたイラストで、今回の雪華綺晶とは対照的でした。

新装版 Rozen Maiden 第7巻 扉イラスト
『新装版 Rozen Maiden 第7巻』 の扉イラスト

                 ◆       ◆       ◆

それと、
世界を廻る旅の門出で、雪華綺晶がまかなかったジュンに対して 「少しだけ、いってきます」 と言った場面も感慨深いです。

雪華綺晶にも、帰るべき場所ができました。


    ・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

水銀燈


水銀燈は現実と対峙します。

現実世界は、あくまで冷徹な中立性を貫く。
死の病を抱えた人間の命を容赦なく奪っていきます。

娘を失い自失するめぐの父親と黒い天使


めぐの父親は、我が子の治療費を稼ぐため仕事に没頭して、見舞いに行けなかったことで娘には憎まれ、妻には出て行かれる。 そうやって自分の人生の全てを注いできたが、結果的にめぐを救うことはできなかった。
子どもが助からないことは最初から分かっていたことだし、自分では覚悟を決めていたつもりだったけれど、「その時」 が実際に来るまでは目をそらして逃げていた、とめぐの父親は悔い自分を責める。

めぐパパは、基本的に誠実で優しい人なのだと思います。
出て行っためぐの母親に娘の死を知らせれば少しでも自分の心の負担を減らせそうですが、既に関係のなくなった人間に余計な精神的負担をかけさせることをよしとはせず、自分一人で抱え込む。 めぐパパはそういう人のような気がします。

それだけに、閉ざした扉の向こう側で静かに一人で壊れていくみたいな。。


現実問題として、めぐの父親には何が残るのだろう、と思う。
彼はこれからの人生、何を心の支えとして生きていくのだろう。


 「貴方の罪は私が持っていくわ」

と水銀燈は、めぐの父親に告げる。


このセリフからは、真紅の言った 「誰もおきざりにしないこと、誰もひとりにしないこと」 、めぐとの約束 「死んでも一緒だわ」 など、水銀燈がいろいろな人達から受け取ってきた想いを感じ取ることができる気がします。

めぐパパにとっても水銀燈にとっても、悲しみや痛みを分かち合うことのできる相手がいることは心強いと思います。


やがて水銀燈は 「さようなら」 を言い残し、立ち去る。


「さようなら」 と水銀燈は言う
このコマ、「水銀燈がめぐパパの命を奪った」 ように見えなくもないかも??



    ・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

金糸雀


めぐパパのこれからのことを考えると水銀燈も暗澹たる気持ちになってしまうと思いますが、そんな水銀燈にとって金糸雀の明るさは救いなのかもしれません。

最終回の金糸雀
この二人、本当に仲がいいです


読者としても、この作品での金糸雀の存在はいろいろと救いでした。


    ・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

雛苺


雛苺も無事に戻ってきました。
また、今回は雛苺が大学生ジュンと初顔合わせします。

ジュンのぼりをまだ続けていて、一見すると何も変わってないように見えますが、随分と成長しているのだと思います (より難易度の高いジュン・クライミングに挑戦中!、とか)。

オディールと巴が仲良くなって文通をしている、という描写も良かったです。


    ・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

ジュン


まかなかった大学生のジュンはもちろん、まいた中学生のジュンも絶好調です。

まいたジュンは鏡がない場所までも出口にしてしまったりと、すっかりnのフィールドに精通しています。
もう、ラプラスの魔とも互角にかくれんぼとか出来そう。


    ・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

ラプラスの魔


そのラプラスの魔ですが、てっきり最後に登場してなんか口上を述べると思いこんでいましたが、結局、姿を表さず終いでした (そのことで逆に意表を突かれました)。

いたらいたで、いなかったらいなかったで、人の心をかき回す方です。


ラプラスの魔
最終回に姿を見せてくれず少しさみしかったので、ラプラスの魔



むしろ今回は、最終回ということで場面もめまぐるしく移り変わり、まるで読者が 「ラプラスの魔の視点」 で物語を見ていたような気もします。

それは、ラプラスの魔が読者に仕掛けた最後のいたずらなのかもしれません。




<FINAL TALE>
掲載: 週刊ヤングジャンプ 2014年8号 / 1月23日(木)発売
ページ数: 29ページ




これからのローゼンメイデン


- 2014年 -

■ 1月30日 【ゲーム】 『ローゼンメイデン Wechseln Sie Welt ab』 発売
■ 2月19日 【BD/DVD】 『(新アニメ)ローゼンメイデン 第7巻』 発売
■ 4月 【コミックス】 『ローゼンメイデン 第10巻 (最終巻)』 発売
■ 未定 【画集】 発売

【連載中のローゼンメイデンのスピンオフ作品】
■ 『ローゼンメイデン dolls talk』 (漫画:かるき春)
  「りぼん」 にて連載中
■ 『まいてはいけないローゼンメイデン』 (漫画:ちょぼらうにょぽみ)
  「となりのヤングジャンプ」 にて2014年1月28日まで連載
  → http://tonarinoyj.jp/manga/maitehaikenai/


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ローゼンメイデン完結記念として、プレゼント企画もあります。
PEACH-PIT先生の色紙などが抽選で当たります。
参加するには、「週刊ヤングジャンプ2014年8号」 に付いてる応募券が必要です。

応募締め切り 2月6日(木) 当日消印有効


ヤングジャンプ2014年8号 ローゼンメイデンのプレゼント企画

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関連記事
RozenMaiden newanime tale7

Anime-TALE 7 / 存在した時間

覚えていてジュン、もし私が消えてなくなったとしても・・・


ローゼンメイデン第7話です。

新アニメは全13話だと予想され、ということは今回までで半分が放映されたことになります (ダイジェスト版だった第1話はとりあえず数に入れないものとして)。 残すところもあと6話。

今回は折り返しということで、懐かしい面々もお目見えします!



今回の内容


    ・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

<あらすじ>

「世界は変えられる」 とメールの送り主が告げる。 ジュンはその言葉を信じて (あるいは信じたフリをして)、真紅の目を盗み人形を作り続ける。 やがて人形製作は水銀燈の知るところとなるが何か目論見があるのか、ジュンの邪魔をしてこない。 一方、nのフィールドに閉じ込められているまいたジュンも、まかなかった世界で新しい人形が作られていることを知り不安を覚える。


    ・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・


「夢見るなよ」 という店長の口から発せられた取るに足らないとも思える一言は、真紅たちがいずれこの世界から立ち去ってしまうという事実と相俟って、今のジュンに重くのしかかってきます。

中学時代に体験した 「自分が世界から断絶されている感覚」 は今もなお、ジュンの中で強い影響力を持ち続けているようです。 質量の大きな星みたいに強大な引力を有していて、ことあるごとにジュンを 「あちら側の世界」 へ引きずりこもうとします。


ジュンは中学時代の記憶を否定し履歴から消し去り、今ある世界を変えるために、『新・少女のつくり方』 を作り続けます。



『新・少女のつくり方』



世界から切り離された闇のような世界で 『新・少女のつくり方』 だけが赤い光を放っていてる ―― まるで真っ暗な海底で深海魚が獲物をおびき寄せるために光を発するみたいに、魅惑的に ――


赤く光る『新・少女のつくり方』


            *       *       *

実際のところ、ジュンがメールと 『新・少女のつくり方』 の送り主をまいた世界の自分だと信じているのかは不明です。

というのも、真紅も再三にわたって怪しいと警告してくれていますし、自分にとって都合の良いことばかり言ってくる今回の差出人をジュンも疑っているはずです (最初に真紅を作る時は何かの詐欺だと疑っていましたし、ジュンはわりと用心深いところがあるので)。

それでも (信じてるフリをして?) メールのやりとりを続け、相手にパーツを送らせ続け、人形を作り続けるのは、ジュンがもはや自暴自棄みたいな心理になっているからなのかもしれません。 世界を変えられさえすれば、この際、雪華綺晶という敵っぽい人形でも構わない、みたいな・・・。


『新・少女のつくり方』 の本当の送り主

今回はまいた世界のジュンも登場します。
そこで、メールも 『新・少女のつくり方』 も まいたジュンが送り主ではない ことが判明します。

本当の送り主は・・・まだ不明です。



存在した時間


ジュンの膝の上に座った真紅が絵本を読んでもらいながら、語りかけるシーンは印象的でした。

今、この時間は確かに存在したのだわ

覚えていてジュン
もし私が消えてなくなったとしても、貴方が作ったお人形のことを……この真紅が貴方と過ごした時間のことを……


ここには、真紅のいろいろな想いがこめられていると思います。


1つにはもちろん、真紅の、自分が去ってしまうことでこの世界には何も残らないと思いこんでいるジュンへの願いです。

世界中に知ってもらう必要もないが、ジュンだけには自分が存在したことを覚えていて欲しいと真紅は願います。

たとえ物理的な器が消滅したとしても、思い出や記憶を持ち続けることが消えゆく相手にとっても、そして自分自身にとってもおそらく意味のあることだ、と真紅は言います。
雛苺のやさしさや気高さを絶対に忘れまいとする、真紅自身の気持ちの表れでもあるように感じられました。


            *       *       *

もう1つ、ジュンの前回の質問に対しての補足的な意味もあると思います。

前回第6話で、ジュンの 「過去を変えて今を変えるために、何かできることはないか」 という質問に対して、その時は冷然と事実のみを伝えた真紅ですが、今回は真紅自身の考えも示します。


過去をなかったことにすることはできない、それは確かに存在したことだ、とりあえず事実として受け入れなければいけない。 その上で、共存や適切な距離の取り方を模索していくというやり方もある。

と、真紅は言いたかったようにも思えます。

原作旧シリーズ 《Rozen Maiden PHASE 23》 で、やはり真紅がジュン (まいた世界・中学生) の膝の上に座り語るシーンがあり、今回はその繋がりと捉えることができると思うのですが、その時に語った内容を考えるとそのように推察できると思います。


Rozen Maiden Phase23より まいたジュンと真紅
《Rozen Maiden PHASE 23》 より まいたジュンの膝の上で語る真紅


《PHASE 23》 ではこのジュンとのやりとりのあと、真紅が苦手な相手・水銀燈との対話を持ちます。 つまりジュンに語っているのと同時に、自分自身に対しても言い聞かせていたのだと思います。


            *       *       *

話は戻りますが、まかなかった世界の大学生のジュンは、何も知らない店長につまらないことを言われただけで、確かに存在した斉藤さんとの絆もあっさり否定してしまっています。 またその他にも、ジュンは自分へよせられる思いやりや好意に対しても鈍感なところがあるようです。

真紅はジュンに対して、そういう確かに存在する他人からの思いを感じとって、もっと自分の中に受け入れていくべきだ、とも言いたかったのだと思います。


想いや出来事を文字 (=形あるもの) として残すという行為は、まさに人形師ローゼンが 「究極の少女」 という仮説的な概念を、形あるものにしようとローゼンメイデンを作った行為を彷彿とさせられます。

「なぜ人間は形あるものとして残そうとするのか」 という真紅の問いは 「なぜお父様が自分たちを作ったのか」 という問いでもあったように思えます。



            *       *       *

そういう 『ローゼンメイデン』 のストーリーとは関係なく、この場面は個人的に好きです。
実際に覚えることのある 「いつの日か、この時を、懐かしさとかやるせなさを伴って思い出すことがあるんだろうな」 という予感が、うまく表現されていたと思います。



ジュンと水銀燈


真紅の 「存在した時間」 の話の後もジュンは人形を作り続けますが、この時はもう、藁にもすがる思いとか世界を変えるとかそういう目的ではなくなっていたかもしれません。 何かを作りたい・完成させたいというジュンの中のマエストロな部分が彼を創作行動にかき立てていだけ、だと思いたいです。

とにかくも、そうやって人形を作り続けているところを水銀燈に見つかります。


一刻も早くめぐ探しを再開したい水銀燈ですが、nのフィールドへ戻ることもできない以上、できることもなくひたすら受身的に変化を待ち続けていたわけですが、ジュンの人形製作の事実を知り、真紅同様に雪華綺晶の罠である可能性に思い至り、何かが起こる予感を覚えます。

そういうわけなので、水銀燈は人形作りの邪魔をするつもりは元よりありませんでしたが、これを利用してジュンから力を分けてもらおうと企てます。

しかし、ジュンにはコケオドシが通じず調子を狂わされます。
結果的に力を分けてもらうという約束を取り付けられましたが、水銀燈は憮然とします。


その時に水銀燈はポッキーを食べますが、旧アニメシリーズでもあったドールがポッキーを食べるシーンと比較すると、体の大きさの違いが一目瞭然です。

130831_05.jpg
ポッキーで見る、新旧アニメのドールの大きさ 上が「旧」・下が「新」



         ÷ ◆ ÷ ◆ ÷ ◆ ÷ ◆ ÷ ◆ ÷ ◆ ÷ ◆ ÷ ◆ ÷ ◆ ÷


ラプラスの魔は、ジュンと水銀燈のやりとりを確認して何やら満足気です。 まかなかった世界の扉をそっと閉めると、今度は別の扉を開きます。

そこで、舞台はnのフィールド内のまいたジュンのいる場所へ移ります。


ラプラスの魔




まいた世界のジュン


まいたジュンは、アニメ第一話の最後で扉を開けnのフィールドに入ります。
目的は、雪華綺晶に捕まったローゼンメイデンたちを助けること。

時々もう一人のジュンからのメールが届き、そこから断片的ながら、まかなかった世界の情報を得ています。

まかなかった世界のジュンが何者かの誘いに乗って、新しい人形を作ろうとしていることまでは把握できましたが、それを阻止する手立ては持ちあわせていないようです。
まいたジュンは金糸雀と一緒にいますが、二人とも自由に身動きがとれない状態にあります。


まいたジュンは金糸雀のマスター・草笛みつ (愛称みっちゃん) とは、雪華綺晶に気取られることなく、確実に連絡を取り合える状態にあるようです。

みっちゃんはマスターなので雪華綺晶の捕獲対象でもありますが、まいた世界で普通に会社へ行ったりして日常生活を送っているようです。

みっちゃんは (ローゼンメイデンのマスターとしては珍しく) 現実世界とうまく折り合いをつけていて、やりたいこともできているので、望む夢を与えるのと引き換えに精神体を奪っていく雪華綺晶のやり方は通用しにくいのかもしれません。



『てのひらの人形』 第6話


絵本『てのひらの人形』


私はすぐに一つ目の大きな人形に向かって
「アイスクリームが食べたい」と言った。
そしたら

食堂のコックさんが
立派なアイスクリームを持って来たんだ。
「どうぞ。作り過ぎてしまったから、
お嬢ちゃんにサービスだよ」



一体目の人形に掛けた願いごとは、みごとに聞き届けられたようです。

もし叔父さんの言うことが本当で、一つの人形が一つの願い事を叶えてくれるとしたら、あと6つの願い事ができます。
そして、このローゼンメイデンのアニメも残すところあと6話・・・。

絵本の女の子は、あと6回アイスクリームを食べられます!


130831_04.jpg
今回、ジュンは真紅に絵本 『てのひらの人形』 を贈る




次回予告


第8話 「アンティークドール」
放送日 : 2013年8月22日 (TBS)

http://www.tbs.co.jp/anime/rozen/story/index-j.html#story08




< アニメ TALE 7 「存在した時間」 >

・放映日: 2013年8月15日(TBS)
・登場人物: 桜田ジュン、まいたジュン、水銀燈、金糸雀、真紅、斉藤さん、ラプラスの魔
・原作範囲: 『ローゼンメイデン』 TALE5, 6, 7



[ ブログ内関連ページ ]
2013年の「ローゼンメイデン」新アニメ 7月よりTBS系列にて


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