山とスキーとローゼンメイデン

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ローゼンメイデン tale29

TALE29 / ドールとマスター

お人形が成長しては、世の中あべこべですもの


■ 蒼星石とマスター

 「薔薇が呼ぶんだよ」


主のいなくなった薔薇屋敷――
蒼星石は夜ごと皆が寝静まるのを待って、この屋敷へ足を運んでいた。

それに気付いた真紅が、なぜ誰もいない館へ足繁く通うのかと問う。


 「庭師が手入れをしなければ、庭園はすぐ朽ちてしまう」

蒼星石は答える。

 「それでは彼が戻った時、きっと悲しむから…」


蒼星石は、今は雪華綺晶に囚われている元マスター・結菱氏を救い出す決意を固めていた。

  この僕の胸の中のローザミスティカは、時間制限つきだ
  いずれ水銀燈に返さなきゃならない

  ――けれどそれまでには、必ず――…


 「まったく義理堅い貴女らしいわ、けれど」

と真紅が言う。

 「翠星石はどうかしらね」



■ 翠星石とマスター

翌朝、食事の席で翠星石は、のりを手伝って一緒に焼き上げたパンを披露していた。

 「さあさあどうです、特製クロワッサンのお味は…?」


みんなに得意げに感想を聞く翠星石は、とても幸せそうに見えた。

蒼星石は、そんな双子の姉に話を切り出す。

 「ちょっと…いいかな」


雰囲気から話の内容を察した翠星石は、話題を逸らそうとする。
それでも、蒼星石は語り始める。


 「僕の元マスターのこと…覚えている?」

 「………」

 「雪華綺晶に捕われてるあの人を、放ってはおけない」


蒼星石は、雪華綺晶と対決して結菱氏を取り戻す決意であることを翠星石に伝える。

内容は、予想していた通りだった。
蒼星石は見て見ぬふりが出来る器用なドールではない、負わなくていい責任まで抱え込もうとする。

翠星石は、そんな妹にこれ以上、痛い思いや苦しい思いをさせたくない。


 「蒼星石に痛い思いをさせるくらいなら、翠星石が肩代わりしてやるですよ」

と翠星石は言う。

 「双子ですからね」


だが、それは翠星石自身も信じていない幻想だった。


 ほんとはね…
 わかってるですよ

 戦いの肩代わりなんて
 誰にもできないって


蒼星石にも、そしてジュンにも自分の戦いがあり、扉を開き、この安全な場所から飛び出していくことになる。

それでも、そんなことは百も承知の上で翠星石は、今手にしている幸せが少しでも長く続いて欲しいと願わずにはいられないのだった。


 「――だから今だけ…ゆるしてくださいです」


夜は静かに更けていく。



■ ドールとめぐ

場面は変わって、ここは、とある病院。
見回りの看護師が、316号の病室で足をとめる。

手にした懐中電灯が少女を照らし出す。


 「びっくりした…起きてたの?めぐちゃん」

 「ええ、体の調子が良くて」


なんだかずっと起きてられるみたい、とめぐは答える。
不治の病であったはずの少女は、急に元気になり、来週には退院するという。

めぐの腕には、不思議な人形が抱かれていた。


 「退院祝いにもらったの」

めぐが言う。

 「お父様からね」




次回は50号(11/11発売)掲載予定


【 今回の概要 】
ジュンが学校へ行く日は近く、めぐの退院の日も迫るある日のこと、蒼星石は、結菱氏を助け出す決意でいることを翠星石に告げる。薄々気がついていた翠星石だが、改めて明言されると、もう避けられないことのように思えてくるのだった。



【 今回の考察 】

◆ 翠星石の変化(成長?) ◆

《PHASE 41》で翠星石と真紅が、人間と人形の違い、人間の成長について語り合う場面があった。今回と少し似ている。

phase41の翠星石
PHASE 41より

翠星石のセリフ
「もう開かない扉の前で、閉ざされた鞄の中で、ずぅっと置いてけぼりですか
時が流れ一人、また一人と消えてゆく背中を、ただ見守ることしかできないですか…?」


この時の翠星石は、蒼星石が消えてしまった悲しさとジュンが遠くへ行ってしまうさみしさで、自分の無力さを嘆き、手にしていたものを失うことを、受け入れられずにいる印象がある。

今回の翠星石は、自身も何かの扉を開いたような、変化の兆しが見受けられる。

蒼星石を取り戻せたからかもしれないし、なによりも、背が伸びたジュン(まかなかったジュン、デカちび人間) と出会って、人間は自分たちドールと違って体も成長するものだと、実感させられたことが大きいかもしれない。


◆ 今回登場しためぐ ◆

めぐと人形

めぐは、《PHASE 43》で雪華綺晶によってnのフィールドに連れ込まれて以来の登場。水銀燈が必死になって探し回っていたが、今回、なぜか元の病室に……。

ちなみに、雪華綺晶に連れ去られたのはめぐの肉体か精神かは不明だが、看護師が巡回しているし、行方不明騒ぎもなかったようなので、精神を連れ去られた可能性が大きいと思われる。

・めぐが抱いていた人形は、雪華綺晶と関係があると思われる人形。《TALE 25》で、まかないジュンの元に現れたのと同じ。
・不治の病であるはずのめぐの病気が完治していて、来週退院するという。
・めぐは自分の父親を「パパ」と呼んでいたが、今回は「お父様」と呼んでいる。
・同じ病院にいるオディール・フォッセーが「眠り姫」なのに対し、めぐは「眠らない姫」。対照的だ。


◆ 薔薇屋敷(結菱邸) ◆

結菱邸の使用人
結菱邸の使用人(?)

《PHASE 20》で一度だけ登場した、結菱氏の車イスを押す執事らしき人物。

ただし、この時は薔薇屋敷の玄関をくぐった時にはすでに蒼星石のフィールドに繋がっていたため、この人物が実在するのか、創り上げられた幻なのかは不明。

もっとも、車イスに乗った体の不自由な老人が、こんな広い屋敷で一人で暮らすことは難儀だ。普通に考えれば、使用人がいてもおかしくない。描かれないだけなのかもしれない。

しかし今回、わざわざ蒼星石が薔薇の手入れをするために訪れているところを見ると、現時点では薔薇屋敷には誰もいないようだ。




<TALE 29>
掲載: 週刊ヤングジャンプ 2010年46号 / 10月14日(木)発売
ページ数: 27ページ
登場人物: ジュン、真紅、翠星石、蒼星石、桜田のり、柿崎めぐ



[ 関連ページ ]
前回 ローゼンメイデン TALE 28
ローゼンメイデン原作の全話レビュー


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