山とスキーとローゼンメイデン

登山、スキーについてのブログです。 また、ローゼンメイデンについての記事も書いています。

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2010年12月発売の書籍「yaso 夜想」のベルメール特集号に、ローゼンメイデンの原作者 PEACH-PIT(ピーチ・ピット)先生のインタビューが、10ページに渡って掲載されました。

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ベルメールという20世紀の人形作家の生い立ちや人形を作るに至った経緯、作品などを紹介した書籍で、合わせて、ベルメールの影響を直接的・間接的に受けた日本の人形作家たちのインタビューも掲載されています。


ベルメールは、球体関節人形がこんなに広がるきっかけになった作家で、土井典、四谷シモンという第一世代、そしてその後に天野可淡、吉田良に大きな影響を与えた。 (本書・序論より)



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yaso#Bellmer-POUPÉE 夜想 ベルメール - 日本の球体関節人形への影響 -

夜想 ベルメール



◇ PEACH-PITインタビュー記事


ここでは『ローゼンメイデン』を、ベルメールを源流とする現代の球体関節人形の大きな流れから派生した一支流と位置づけている。

書籍の性格上、ローゼンメイデンの作中でドールが果たしている役割や人間との距離感など、専らドールに焦点が当てられたインタビュー内容だ。

聞き手は、編集長の今野裕一さん。 記事は10ページ。


  [ 小見出し一覧 ]
  ・人形はひょこっと現れた
  ・ 女子目線で、男子の気持ちをくめる
  ・ 『ローゼンメイデン』のポジティブさ
  ・ 人形の役割
  ・ 人形コレクション
  ・ 扉をあけてくれる人形
  ・ 私を見ていない人形
  ・ 別れは切ない



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インタビューの中でPEACH-PIT先生は、人形とは自分の分身であり向きあう対象であり、同時に世界の中で単独で存在するもの、と言う。

「今、若い子の中で人形を持っているという子は、もちろん自己愛という部分もあるんだけど、自分ではない対象物として人形を愛しているところもあると思います。 自己と対象との狭間みたいな感じがすごくおもしろいなと」 (PEACH-PIT・千道万里)



ローゼンメイデンの着想の段階では人形ということは考えておらず、ひょっこりと思いついたらしい。

「でも、なんで人形だったんでしょう、今は思い出せないです、不思議ですね。 やはり、ひょっこり、人形が出てきたのかもしれません」 (PEACH-PIT・千道万里)



面白いことに、ベルメールや四谷シモンといった人形作家たちも、最初は人形を作ろうとは思っていなかったと本書に書かれている。 自分の中にある何かの衝動を表現しようと思ったとき、たまたまそれが人形という形をとって現れただけにすぎない、と。

「人形というのは、ふっと訪れる存在なのかもしれませんね」 と今野氏は言う。


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そして、表現したい物語にドールたちはしっくりとはまってくれたという。

「代わりに闘うというのがよかったんです。だから生き物ではないほうがいいのですが、でも完全に無機物だとちょっと味気ないし (中略) あまり生き物という感じじゃなくて、でも遠すぎないというところで、人形が一番しっくりきたんだと思います」 (PEACH-PIT・えばら渋子)



また、ローゼンメイデンの物語を描いていくうちに人形に興味を持ち、実際に所有することで、人形が持つ魅力や不思議な力に気がついたと、PEACH-PITの両先生は語る。

「たくさんの愛情を注げば、お人形だから何の抵抗もなくこちらのイメージをそのまま投影してくれます。 愛し合えるというか、愛が返ってくるような錯覚があるんです。 でもあの目を見ていると、なんか私を見ていない、こっちを見てないと感じます。 (中略) 自分を投影してくれつつも、どこか拒まれている感じ…」 (PEACH-PIT・千道万里)


「すごく心が繊細な思春期の子どもたちにとっては、人形だから抵抗なく心を開くことができるということがあると思います」 (PEACH-PIT・えばら渋子)



自己投影の対象としての人形……そういう人形の持つ側面に気がついたから、“nのフィールド”や“無意識の海”など 「登場人物が自分と向き合うことになる空間」 が、ローゼンメイデンの物語中にも出現し、作品に組み込まれて行ったのかもしれません。


夜想 ベルメール/ローゼンメイデン


『ローゼンメイデン』は人形と人間との間に張られた1本のロープの上に、絶妙なバランスで乗せられている作品だ。 主人公の少年の物語でもあり、同時に人形たちの物語でもある。 両者が近づきすぎても離れすぎても成り立たない (実際、少年が距離を計り損ねて全面的に人形たちを拒絶したとき、物語は一度バッドエンドという形で幕を降ろしてしまう)。

今回のインタビューは、人形に造形の深いインタビューアの進行もあって、純粋にドール的見地からローゼンメイデンという作品を掘り下げていきました。 その一点集中型の探求が、漠然とした全般的なインタビューより、かえって作品の全体像を照らし出した気もします。


いずれにしても、大変興味深いインタビューでした。
お読みでない方は、図書館でも本屋でも、ぜひご一読を!


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 PEACH-PIT とは▼

 千道万里さんとえばら渋子さん、二人組の漫画ユニット。
 代表作は、『ローゼンメイデン』『Rozen Maiden』『しゅごキャラ!』
 『ZOMBIE-LOAN』『DearS』など。

 公式サイト:もものたね
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◇ yaso - 夜想 ベルメール -


yaso夜想とは、不定期に刊行されている書籍です。
シリーズ化していて、2010年12月に発売された本書は、シュルレアリスムの人形作家ハンス・ベルメールを特集している。

ちなみに、既刊号では「ドール」や「耽美」といったものを扱っています。


調べてみたところ、Amazonなどのネット通販やジュンク堂や紀伊國屋書店などの大型書店店頭にも置いてありました。 比較的入手しやすい本のようです。

今回、PEACH-PIT先生のインタビューが載っているということで初めて購入しました。


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人形自体には興味がなかったのですが、PEACH-PIT先生のインタビューの中で四谷シモンさんという人形作家の名前が挙がっていて、その方のインタビュー記事も掲載されていたので読んでみました。 すると、四谷氏はベルメールに多大な影響を受けたとあり、ベルメールその人にも興味が湧いてきて、結局この本の記事を全部読むことに……1冊まるまる、大変興味深く読むことができました。

1つの取っ掛かりがあって、そこから興味が広がっていくのは楽しいです。
編集が上手だと思いますし、何よりベルメールを始めとする人形作家たちの生き方や考え方、創作の原動力や志向などが、とても面白いです。


夜想 ベルメール



掲載されていたベルメールの作品の写真を見て最初に受けた印象は、正直に言うと「グロテスク」です 。以前、山岳遭難の資料で見た滑落して全身を粉砕骨折したり脊髄が折れた死体を思い起こさせられました。

その後、本誌の宮川尚理氏やスー・テイラー氏の解説を読むと、ベルメールという人柄が分かってきて、その作品たちも生きたものに見えてきました。
解説を読んで作品を理解した、というよりは、読む前に写真だけ見て抱いてしまった屍体のようだという思い込みや偏見が取り除かれたのだと思います。


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そういうわけで、四谷氏がインタビューの中で、生身の人間からそのまま型を取ると人形ではなく死体の顔になってしまうと語っているのには、妙に納得させられました。

氏は、人間の形骸的リアリティを求めて単に上っ面をコピーしただけの模造品では、逆に「リアリティ感」が失われて、それは人間を感じさせないただの物体(死体)になってしまうと言う。

「デスマスクはね、人から型を取るでしょう。 (中略) でも人間の体から直接型を取ったものだと、人を感じないんですよ」(四谷シモン)



人形作家の手で想いを込めて作られたとき、初めて人形が生きる……。

「作る人の脳とか目を通して作り上げるリアリズムが必要なんです。すると何かそこに入ってくる」 (四谷シモン)




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その他、この本には人形作家の吉田良氏、ボークスの重田英行氏のインタビューなど、読み始めると止まらなくなるような面白い記事が載っています。

また、本書アートディレクションとエディトリアルデザインに、新装版「Rozen Maiden」や「ローゼンメイデン」のカバーデザインでお馴染みのミルキィ・イソベ、明光院花音という名前もあります。


人形を全く知らず興味もなかったスノーピですが、本一冊を読み終える頃には、人形を見る目が相当変わったと思います。
多分、これからも自分は人形を集めたり作ったりすることはないと思う。 でも、美術館などで創作人形展が特設されてたら、足を運んでみたいと思うくらい興味を持ちました。


ホント、面白いことって気がつかないだけで、そこら辺に転がっているものだなーと思います。




 [ yaso 夜想 / ハンス・ベルメール特集 ]

  出版社 :ステュディオ・パラボリカ (2010/12)
  発売日 :2010年12月
  定 価 :1,575円(本体 1,500円+税)
  サイズ :24x18.2x1.4cm / 207ページ

  → 夜想 ベルメール (Amazon)




<関連リンク>
◇ yaso夜想公式サイト ハンス・ベルメール特集号
  → http://www.yaso-peyotl.com/archives/2010/11/bellmer-poupee.html
◇ PEACH-PIT先生のブログに掲載された告知
  → http://blog.p-pit.net/?eid=1033825



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