山とスキーとローゼンメイデン

登山、スキーについてのブログです。 また、ローゼンメイデンについての記事も書いています。

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ローゼンメイデン tale36

TALE36 / 絆

だ・・・誰か来たらどうしよう・・・


■ どんな所なんですかねぇ、学校


  だ・・・誰か来たらどうしよう・・・

  俺は、みんなに見せつけたいけどね


翠星石が知っている学校は、そんな少女マンガの舞台としての学校だった。
そこでは日々、人間たちが心ときめくような生活を繰り広げている……に違いない。


まだ見ぬ学校に憧れを抱く翠星石。
その様子を見たのりは、ドールたちを学校へ連れていってあげるようにジュンを促す。


 「何でせっかくの日曜にまで、学校に行かなくちゃ……」

そう渋ってみせるジュンだが、結局、翠星石をバスケットに入れて学校へ向かう。
さすがに一人を連れてくるのが精一杯だった。


 「まだですぅ? この中きゅうくつで…」

 「日曜でも部活の奴らとかいるんだぞ…」


ジュンとしては、人形を人目に晒すわけにはいかない。
外の世界は、ドールにとってあまり居心地の良い場所ではないように見える。


それでも、翠星石は幸せそうに笑った。



■ 何想像してんのかしらないけど、多分違うぞ

学校の教室は、少女マンガで見た景色とそっくりだった。
机や椅子がたくさんあって正面に黒板があって、カーテンが風にそよいでいた。

そして、ジュンと翠星石の他には誰もいない。

 「二人きり…ですね…」


学校は、翠星石にとってはお気に入りの少女マンガの舞台であり、憧れの場所だった。
と同時にジュンが、今は毎日通っている場所でもあった。

翠星石にとっては憧れの非日常空間が、ジュンにとっては自分の身を置くリアルの世界なのだ。

  成長した子どもはお人形遊びをやめて、扉のむこうに駆けていくものですね
  それはわかっているんです、でも


翠星石の中でいろいろな想いが交錯する。


突然、廊下から人の話し声が聞こえる。
この教室に誰かが入ってくるかもしれない。


 「隠れるぞ!」

と、ジュンは慌てる。


  だ・・・誰か来たらどうしよう・・・
  俺は、みんなに見せつけたいけどね


翠星石は、少女マンガの一幕を思い出す。
しかし、ジュンの方は誰かに見せつけようとするどころか、翠星石を隠すことに必死だ。


日曜日、特に用もないジュンが、教室で人形と一緒にいるところをクラスの誰かに目撃されることは、好ましいことではない。ちょっと困ったことになる。

せめて翠星石だけでも隠そうと、ジュンはゴミ箱の蓋を開ける。


 「まさか、そんなトコロに翠星石を…」

 「ごめん、ちょっとの間だから」

 「ふざけんなですー!!」



■ まるで、ほかの何かに出会ってしまったかのような…

 「昨日は何かあったの?」

翠星石とジュンが学校へ行き、のりも出かけたあとで、真紅は蒼星石に尋ねる。
どこかうわの空のように見える、と真紅は言った。


 「鋭いね」

蒼星石は素直に認める。
そして9秒前の白で、水銀燈とめぐ、それとジュンの間で過去に起こった出来事を見せられたと告げる。


 「水銀燈とそのマスターには、僕が思っていた以上に確かな絆があった」

蒼星石は言う。

 「めぐ・・・鍵を握るのはあの少女」


それから、自分のローザミスティカは水銀燈に借りているものであるから、自分の命は彼女のために使うつもりでいるという決意を、蒼星石は打ち明けた。

多分、翠星石には知られたくないことだった。


 「嘘は下手だから…君には正直に話してみたよ」

そう言う蒼星石も、水晶の棺に入ったジュンの姿を見たことは伏せておく。



■ 人間と人形

話し声と足音は、ジュンたちのいる2年6組の教室を通り越えて遠ざかっていく。
このクラスの生徒ではなかったようだった。


 「とりあえず、一難去った…」

ジュンは安堵の息をつく。
手には上履きが握られている。

上履きはゴミ箱に入っていた。
柿崎めぐの名前が書いてあり、ジュンは咄嗟に拾いあげてしまったのだ。

なぜゴミ箱に転入生の新しい上履きが・・・。


すすり泣くような声がする。
ジュンは掃除用具入れのロッカーに隠した翠星石のことを思い出し、急いで扉を開け、外に出す。

 「ゴメン…ゴミ箱よりはマシだったろ?」


そう言うジュンだが、翠星石よりも手にしている上履きに気を取られ、何かに想いを馳せているようだった。
翠星石は表情からジュンの考えていることを感じ取ってしまう。

同じ教室にいるのに、ジュンと翠星石とでは立っている場所が違うし、見える景色も違うのだ。
そしてなにより、ジュンは人間であり翠星石は人形だった。


カーテンは、相変わらず風にそよいでいる。


 「許さんです」

 「どうしたら許してくれる?」


それでも、二人は絆で結ばれている。


 「詫びとして帰りに、マカロンタワーおごれです!」

 「うーん…まぁいいか」

 「えっ…ほんとにです?」




次回は34号(7/21発売)掲載予定


【 今回の概要 】
登校を再開して最初の日曜日、ジュンは翠星石を学校へ連れて行く。憧れの学校に胸を膨らませる翠星石だったが、そこは人形の居場所などない世界であることを改めて思い知らされる。一方、桜田家に残った蒼星石は、自分の決意を真紅に打ち明ける。



【 今回の考察 】

今回は楽しいようで、少し悲しく切なくなるような回でした。

これまでは同じ世界にいて同じものを見ていたけれど、ジュンが外の世界に出ていくことで、つながっていた人間と人形それぞれの世界が、少しずつ離れていこうとしている、そんなことを予感させる回です。


▼ 翠星石の憧れる「人形と人間」の、理想と現実

110623_06.jpg


  だ・・・誰か来たらどうしよう・・・
  俺は、みんなに見せつけたいけどね

と描かれたマンガに、翠星石は憧れる。
でも現実には、ジュンは翠星石を隠す。

外を移動するときはバスケットに入れられるし、廊下で足音がしたらゴミ箱なり掃除用具入れなりに、なりふり構わず隠されることになる。


学校に人形の居場所はない。

ジュンが重い扉を開けて人形たちのいる家から飛び出して目指した先は、人形たちの居場所のない世界だった。


そして、ジュンは側にいる翠星石をよそに、上履きの持ち主である人間の少女に想いを馳せる。

以前、窓から図書館へ向かう巴とジュンを見送った時は、家の中と外、翠星石とジュンは別の世界にいた。今回は、同じ場所にいるはずなのに想いは通じない。

物理的な距離は言い訳に出来ない。


それが人間の成長であり、扉を開け飛び出していくということなのかもしれない。
翠星石も頭では分かっていることだったけど、今回は改めて実感してしまうという形となってしまった気がします。


翠星石


◇翠星石の理想は、めぐと水銀燈の関係?

今回の少女マンガのカーテンのシーンは、水銀燈とめぐが契約を交わす場面を思い起こさせられました (カーテンとシーツの違いこそあれ)。

めぐと水銀燈
水銀燈とめぐの契約シーン


めぐは水銀燈との会話を看護師さんに聞かれることを憚らないし、父親に水銀燈のことを進んで話そうともしていた。

  俺は、みんなに見せつけたいけどね


意外と、めぐと水銀燈の関係こそ翠星石の憧れなのかも!?
(それが、今回のめぐと水銀燈の扉絵の理由??・・・)



▼ 真紅と蒼星石

一人で抱え込もうとする蒼星石の様子に気づき、真紅は何があったのかと問う。
(アニメ・トロイメント第2話で、一人で薔薇水晶のことを抱え込もうとする真紅に気づき、問い質したのが蒼星石だったのを思い出します)

翠星石がいない時を見計らって、蒼星石に尋ねる配慮も真紅らしいです。
真紅は、翠星石がいては蒼星石も話しづらい内容であることは、なんとなく察しがついていたのだと思います。

ただ、蒼星石の異変に気付いていたのは真紅だけではない気はします。というのも、こと蒼星石に関しては、翠星石の方が敏感なので。
翠星石が自分の居場所がないと分かっている学校へ行ったのは、純粋に好奇心や憧れだと思いますが、それとは別に、蒼星石の態度から何かを察して、逃げたかったということもあったりするのかもしれません。


蒼星石は真紅に、過去の光景(水銀燈とめぐとジュンのこと)を見たと伝える。しかし、水晶の棺に眠るジュンの姿を見たことは伝えなかった。

今現在、唯一ジュンと正式な契約を結んでいる蒼星石は、契約していない真紅や翠星石に負担をかけさせないために、一人で背負い込もうとしているのでしょうか、やはり。



▼ 上履き

めぐの上履き
めぐの上履きがなぜかゴミ箱に・・・

制服や上履きは、なんというか学校の象徴であり、学校へ通うために必要な通行手形的な意味もある気がします (学校へ行くのを拒否していた頃、ジュンは自分の上履きの名前を修正して抵抗した《→ 序章・後編》)。

だから、上履きが捨ててあったことに、ジュンは過去の自分を思い出して、ちょっと不安を覚えたのかもしれません。
ジュンはまた、めぐがイジメられてるのかもと考えます。 

それと、「2-B」となっているのも気になります。

ジュンは、めぐの上履きを昇降口の下駄箱に戻してあげるのかな!?





<TALE 36>
掲載: 週刊ヤングジャンプ 2011年30号 / 6月23日(木)発売
ページ数: 28ページ
登場人物: ジュン、翠星石、蒼星石、真紅、桜田のり
備考: カラー扉



[ 関連ページ ]
前回 ローゼンメイデン TALE 35
ローゼンメイデン原作の全話レビュー


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