山とスキーとローゼンメイデン

登山、スキーについてのブログです。 また、ローゼンメイデンについての記事も書いています。

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後立山から新穂高温泉への縦走 後編


この記事は、
  「後立山から新穂高温泉への縦走(八方尾根~新穂高温泉) ~ 前編」

の続きです。



縦走 無雪期 北アルプス 単独





前回の記事では八方尾根から唐松へ上がり、後立山の稜線を南下、3日目に針ノ木小屋に到着したところまで記しました。
今回の記事は、その続きの4日目から下山までの記録になります。針ノ木小屋から蓮華岳を越えてさらに南下、船窪・烏帽子・野口五郎・三俣山荘・笠ヶ岳、そして、新穂高温泉へ。


行程鳥瞰図



◆ コース概説

▼ 今回の山行の全行程

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《クリックで拡大》

コースタイム

1日目
[八方池山荘] 05:30 ~ 08:00 [唐松岳頂上山荘] 08:20 ~ 10:30 [五竜山荘] 10:55 ~ 12:00 [五竜岳山頂] 12:20 ~ 14:30 [口ノ沢のコル] 14:30 ~ 15:40 [キレット小屋]
2日目
[キレット小屋] 07:00 ~ 08:20 [鹿島槍・北峰] 08:40 ~ 09:15 [鹿島槍・南峰] 09:20 ~ 10:50 [冷池山荘] 11:20 ~ 12:40 [爺ヶ岳・中峰] 12:40 ~ 13:30 [種池山荘]
3日目
[種池山荘] 07:00 ~ 09:00 [新越山荘] 09:20 ~ 11:00 [赤沢岳] 11:20 ~ 13:00 [スバリ岳] 13:05 ~ 13:50 [針ノ木岳] 14:00 ~ 14:30 [針ノ木小屋]
4日目
[針ノ木小屋] 06:50 ~ 07:50 [蓮華岳] 08:05 ~ 10:15 [北葛岳] 10:30 ~ 11:53 [船窪小屋] 12:00 ~ 12:15 [船窪小屋テン場]
5日目
[船窪小屋テン場] 06:50 ~ 08:40 [船窪岳第2ピーク] 08:50 ~ 11:00 [不動岳] 11:15 ~ 12:45 [南沢岳] 13:00 ~ 13:40 [分岐] 13:45 ~ 13:55 [烏帽子岳山頂] 14:05 ~ 14:15 [分岐] 14:20 ~ 14:45 [烏帽子小屋]
6日目
[烏帽子小屋] 06:30 ~ 07:20 [三ツ岳] 07:30 ~ 08:50 [野口五郎岳] 09:00 ~ 11:40 [水晶小屋] 11:40 ~ 12:10 [ワリモ分岐] 12:15 ~(源流ルート)~ 14:10 [三俣山荘] 14:15 ~(巻き道)~ 16:10 [双六山荘]
7日目 (最終日)
[双六山荘] 06:15 ~ 07:05 [弓折乗越] 07:15 ~ 07:30 [大ノマ乗越] 07:30 ~ 08:50 [秩父平] 08:55 ~ 09:50 [抜戸岳分岐] 10:00 ~ 10:50 [笠ヶ岳山頂] 11:00 ~ 11:50 [抜戸岳分岐] 12:00 ~ 15:30 [左俣林道出合] 15:40 ~ 16:30 [新穂高温泉] (下山)


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  この記事では、4~7日目の記録を書いています。

  1~3日目の記録はこちら
  → 「後立山から新穂高温泉への縦走(八方尾根~新穂高温泉) ~ 前編」 へ

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4日目 / 針ノ木小屋 ~ 蓮華岳 ~ 船窪小屋 ~ 船窪小屋テン場


コースタイム
[針ノ木小屋] 06:50 ~ 07:50 [蓮華岳] 08:05 ~ 10:15 [北葛岳] 10:30 ~ 11:53 [船窪小屋] 12:00 ~ 12:15 [船窪小屋テン場]
日付
9月30日(木)
天気
くもり のち 雨
地形図
黒部湖
ガイドマップ
『鹿島槍・五竜岳』(山と高原地図・昭文社)
水場
・船窪小屋のテント場の奥に水場がある。
小屋・幕営地
船窪小屋は営業小屋。営業期間は7月上旬~10月体育の日。テント泊は1人500円。トイレあり。売店あり。
その他コース情報
蓮華の大下り、北葛岳~七倉山の間には鎖場やハシゴが連続する
データ
→ 【 この日の行程 】 , → 【 ルート断面図
備考

コース概説


蓮華岳から船窪方面
蓮華岳山頂から望むこの日のルート、船窪小屋の青い屋根が見える


針ノ木小屋から船窪へ向かうルートは2つある。蓮華岳や北葛岳を越えていく稜線ルートと、針ノ木谷へ一度降りて船窪岳へ登り返すルートだ。後者の方がコースタイム的には短いが体力的にはキツイ。
今回は急ぎの山行でもないので、前者の稜線ルートから船窪へ向かう。



針ノ木小屋 ~ 蓮華岳山頂
所要時間:1時間

テントを撤収しザックを背負う、時計は6時50分を指している。この日は移動距離も短く、時間にも余裕があるので遅めの出発だ。
巻層雲が空を覆っている、天気が少し心配だ。

針ノ木小屋がある鞍部から蓮華岳への登り出しはややきつい。出発直後で足も重く、小屋も長らく見えているので高度を稼いだ気分になれない。
それでも急斜面は20分ほどで終わり、いきなり高山植物も点在するザレた緩い道になる。肩についたというよりは、広い山頂の一端という感じだ。そのまま祠の祀られている蓮華岳の山頂へつながっている。


蓮華岳への登り
急登の後の傾斜の緩いザレ道

蓮華岳は2798メートル、どっしりとした印象の山だ。



蓮華岳 ~ 北葛岳
所要時間:2時間10分

蓮華岳から鞍部の北葛乗越までの道は、蓮華の大下りと呼ばれる。
標高差が500メートル以上ある道で、途中から岩稜の道になってくる。ハシゴや鎖が取り付けられていて、慎重に下る必要がある。


蓮華の大下り、鎖
蓮華の大下りラスト、北葛乗越の直前の鎖場

下りはじめて1時間ほどで北葛乗越に到着、少し休んで北葛岳の登りに取り付く。

登り返しは単調な歩きだ。ひたすら登っていけば、ほどなく北葛岳山頂(2551m)へたどり着く。
いよいよ雲は厚くなってくる。



北葛岳 ~ 船窪小屋
所要時間:1時間30分

北葛岳からの下りは、再び足元に注意が必要な岩稜の道となる。とは言え、危険箇所にはハシゴやロープがかけられているし、特にルートを踏み外しそうな箇所もないので問題ないはずだ。
下りきって鞍部へ至り、その後に七倉岳ピークへの登り返すのだが、ヤセ尾根や岩稜の道は続く。


七倉岳やせ尾根
七倉岳山頂へと続く稜線上の道

七倉岳 はしご
痩せた道と、危険箇所に架けられたハシゴ


このあたりで雨がポツリと来る。まだ雨は弱いし、スペースのとれない岩稜地帯なので、ザックを下ろして雨具を取り出し身に付けるよりは、早く通過してしまった方が良さそうだった。

弱い雨の中、岩稜を通過しようやく七倉岳の山頂に到着、時間は12時少し前。

そこから2、3分ほど緩い道を下っていくと烏帽子岳方面と七倉ダムへ向かう分岐があり、さらに数分歩くと船窪小屋に到る。


船窪小屋の指導標
船窪小屋直前の分岐指導標


船窪小屋 ~ 船窪小屋テント場


船窪小屋
船窪小屋

船窪小屋は、こじんまりとした小屋だ。
戸を引き中に入ると、間違ってよその人の家に上がりこんでしまったような、そんな印象を受けてしまうほどアットホームな小屋だ。小屋の人も暖かく迎えてくれる。

受付を済ませて、テント場へ向かう。
小屋から分岐に戻り、烏帽子岳方面の方へさらに5分ほど歩くとテント場に到着する、12時30分。
あまり広くないテント場(山渓のふろく『山の便利帳』には5張とあるが、さすがにもう少し張れそう)には誰もいない。
この日も、他には誰もいない無人テント場での一人幕営となった。


船窪小屋テント場と水場案内
船窪小屋テント場、奥には水場を案内する立て札がある


テントの設営が終わり、荷物を整理しながら中に運び入れてる時に、雨脚が急に強くなる。空がずっと雨を降らせるのを我慢していてくれていたと思えるような、そんな絶妙なタイミングだった。

テント内でお湯を沸かしてコーヒーを淹れ、簡単にこの日の行動の記録をまとめる。それも終わると本を読んだり、時間になるとラジオで気象通報など聞く。
そうしているうちに雨も弱くなったので水を取りに行くことにする。今回の山行では、4日目にして初めての水場と対面することになった。後立山は雪渓を除けばほとんど水場がないので、貴重な水だ。

貴重ゆえにか、船窪の水場は結構な難所にある。
崩れかけのザレた斜面に水が湧き出ている場所があり、小屋の人が張ってくれたロープをつたって、滑落しないように水を取りに行くことになる。
サブザックを背負って、そこにプラティパスやペットボトルを入れて、両手は極力空けて出かけたほうが良さそうです。



船窪小屋の水場
船窪小屋のテント場にある水場は難所、お気をつけて




5日目 / 船窪小屋テン場 ~ 不動岳 ~ 烏帽子岳山頂 ~ 烏帽子小屋


コースタイム
[船窪小屋テン場] 06:50 ~ 08:40 [船窪岳第2ピーク] 08:50 ~ 11:00 [不動岳] 11:15 ~ 12:45 [南沢岳] 13:00 ~ 13:40 [分岐] 13:45 ~ 13:55 [烏帽子岳山頂] 14:05 ~ 14:15 [分岐] 14:20 ~ 14:45 [烏帽子小屋]
日付
10月1日(金)
天気
快晴
地形図
黒部湖, 烏帽子岳
ガイドマップ
『鹿島槍・五竜岳』(山と高原地図・昭文社)
水場
・なし(水は小屋で購入できる 200円/L)
小屋・幕営地
烏帽子小屋は営業小屋。営業期間は7月上旬~10月中旬。テント幕営地あり、1人500円。トイレあり。売店あり。
その他コース情報
道が崩落している箇所があり注意
データ
→ 【 この日の行程 】 , → 【 ルート断面図
備考
烏帽子岳の山頂へ寄る場合は分岐に荷物を置き、空身でピストンできる。

コース概説


烏帽子田圃と烏帽子岳
烏帽子岳の周辺に来ると、ガラリと雰囲気が変わる

雨は上がって快晴。
この日は船窪岳、不動岳、南沢岳を経て烏帽子小屋へ向かう。前半は崩落箇所もあり、通過には注意が必要だ。
時間と体力に余裕があれば、烏帽子岳のピークにも立ち寄りたい。



船窪小屋テン場 ~ 船窪岳第2ピーク(2459m地点)
所要時間:1時間50分

テント場を出発して針ノ木谷へのルートと出合う船窪乗越を越えると、やや厳しい登りが待ち構えている。40分ほどで船窪岳山頂へ到着。
朝一の1ピッチ目としてちょうどいい距離で、体調チェックにもなる。この日も絶好調みたいで、足も気分も軽い。

船窪岳山頂を下り、2459mの標識の立つ船窪岳第2ピークまでの登りはちょっと怖い。尾根の片側の崩落が進んでいて、危険な箇所にはロープが張られていたりする。浮石も多く、他に登山者がいる場合は転がさないように要注意です。
ハシゴやワイヤーのかけられた箇所が多く、なかなか気が抜けない。

その危険地帯を抜けると、船窪岳第2ピークに到着。


船窪岳の崩落跡
途中の崩落した箇所、通過する時はかけられたロープが頼りになる


船窪岳第2ピーク ~ 不動岳
所要時間:2時間

船窪岳第2ピークからの下りにもハシゴは出てくるが、やがて安全な樹林帯に入る。
紅葉が始まっていて、赤や黄色の葉が陽の光に照らされた道を歩いて行くのは楽しい。

・・・とは言え、やはり長い。
目指す不動岳は前方に大きく立ちはだかっている。

11時、不動岳山頂に到着、標高は2595m。
眺望がよく、立山連峰や薬師岳や水晶岳、槍ヶ岳もよく見える。


不動岳山頂
不動岳の山頂を示す標識


不動岳 ~ 南沢岳
所要時間:1時間30分

この間は特に書くことがない。樹林帯が続き、景色も楽しめない代わりに滑落などの危険もない。
樹林帯が終わりザレた急坂を登り切ると、南沢岳の山頂に到着。

南沢岳は2625m。
山頂は日本庭園を彷彿とさせられる。白い砂利に岩がポツリポツリとあり、龍安寺の枯山水みたいだ。


南沢岳山頂
日本庭園のような異世界チックな南沢岳山頂、三角点もある


南沢岳 ~ 烏帽子岳分岐
所要時間:1時間30分

南沢岳を下って行くと、広い尾根に池が点在しているのが見える。烏帽子田圃と呼ばれる場所で、名前の通りのどかな田園風景を楽しめる、はずだ。
あいにくガスが沸いてきてしまったが、霧の中の池は、それはそれで幻想的だ。


烏帽子付近に点在する池
烏帽子岳付近に点在する池

実はこの時は景色を楽しむよりも、どこかで水を採取できないかということばかり考えていた。池は煮沸すれば使えるだろうが、溜り水で採水するのは躊躇われた。

さらに進むと、烏帽子岳分岐へ出る。



烏帽子岳分岐 ~ 烏帽子岳 ~ 烏帽子岳分岐 (空身ピストン)
所要時間:30分

烏帽子岳と分岐指導標
烏帽子岳と手前の分岐導標

時刻は13時30分。時々ガスるけど、雨の心配はなさそうだ。
というわけで、烏帽子岳の山頂にも寄っていくことにする。

ザックは置いて、貴重品とカメラだけ持って空身で山頂へ向かう。

山頂と言っても分岐点からはディズニー・シーの「あの山」みたいな感じで、登ると言っても10分ほどで辿り着く。


途中の岩場では手も使っての直登とトラバースを強いられることになるが、足場はしっかりしているし鎖もついているので、慎重に行けば危険はない。


烏帽子岳への登り
烏帽子岳への登りは慎重に


烏帽子岳(2628m)の山頂には岩しかない。
景色は良いが、とにかく何も無い。人も誰もいない。とりあえず岩の一番高い所に立って手を広げてみる。



烏帽子岳山頂の岩
烏帽子岳山頂にある岩


山頂で3分ほど過ごしたあと、分岐点まで引き返す。



烏帽子岳分岐 ~ 烏帽子岳小屋
所要時間:30分

烏帽子岳小屋
烏帽子岳小屋

ザックを背負い、烏帽子小屋へ向かう。
前烏帽子を越えるとほどなく烏帽子小屋に到着する。

テントの受付をして、水を購入する。小屋の入り口前にある小さな別棟がトイレとなっている。さらに3分ほど行った先にテント場がある。

落ちている石で張り綱を固定する。テントは昨晩の雨で濡れたままで、次の日は移動距離が長いので、出来るだけ乾かして軽くしておきたい。その他、まだ湿っている装備品も干して乾すことができた。




6日目 / 烏帽子小屋 ~ 野口五郎岳 ~ 水晶小屋 ~ 双六山荘


コースタイム
[烏帽子小屋] 06:30 ~ 07:20 [三ツ岳] 07:30 ~ 08:50 [野口五郎岳] 09:00 ~ 11:40 [水晶小屋] 11:40 ~ 12:10 [ワリモ分岐] 12:15 ~(源流ルート)~ 14:10 [三俣山荘] 14:15 ~(巻き道)~ 16:10 [双六山荘]
日付
10月2日(土)
天気
快晴
地形図
烏帽子岳 薬師岳 三俣蓮華岳
ガイドマップ
『鹿島槍・五竜岳』(山と高原地図・昭文社) 『剱・立山』(山と高原地図・昭文社)
水場
・ワリモ分岐から源流コースを行く場合は採水できる。
・三俣山荘にあり。
・双六山荘に飲料できる水のタンクあり(無料)。
小屋・幕営地
野口五郎小屋は営業小屋。営業期間は7月上旬~9月下旬。テント幕営地なし。トイレあり。売店あり。
水晶小屋は営業小屋。営業期間は7月上旬~9月下旬。テント幕営地なし。トイレあり。売店あり。
三俣山荘は営業小屋。営業期間は6月上旬~10月中旬。テント泊は1人500円。トイレあり。売店・レストランあり。水場あり、水量が豊富。
双六山荘は営業小屋。営業期間は6月上旬~10月下旬。テント泊は1人500円。トイレあり。売店。水場あり。
その他コース情報
この時期、野口五郎小屋・水晶小屋は営業終了
データ
→ 【 この日の行程 】 , → 【 ルート断面図
備考

コース概説


この日は移動距離が長い。

当初は雲ノ平へ行く予定だったが、目的の高天原の温泉が既に小屋を閉めているということなので、三俣山荘か双六山荘を目指すことにする。

一両日中に天候が崩れ始めること、また翌日に笠ヶ岳に立ち寄ることを考えれば、この日は双六山荘まで駒を進めてしまいたい。



烏帽子小屋 ~ 三ツ岳
所要時間:50分

高気圧圏内で、天気もいい。
天気がいいとテントの撤収も楽だし、装備も濡らさないで済むのが嬉しい。


朝日を受ける三ツ岳
この日最初に取り付くのがこの三ツ岳、朝日を受けて輝く

小屋から三ツ岳まではザレ道を歩く。斜度はそれほどないが、距離の結構長い道が続く。歩いた距離と稼いだ標高が比例するような単調な上り坂だが、景色が良いので飽きの来ない道だ。

三ツ岳山頂は2844m、顕著なピークではないが、広くてゆったりしている。



三ツ岳 ~ 野口五郎岳
所要時間:1時間20分

三ツ岳から野口五郎岳へは、なだらかで広い道が続く。この辺まで来ると槍ヶ岳も大きい。
ゴーロ帯を越えると、間もなく野口五郎小屋に到着。すでに小屋閉めは終えている。


野口五郎岳への道
野口五郎岳へ向かう道


小屋から5分ほど歩くと野口五郎岳山頂に至る、標高は2924m。
時刻は9時10分前、悪くないペースだった。


野口五郎岳山頂
野口五郎岳山頂



野口五郎岳 ~ 水晶小屋
所要時間:2時間50分

野口五郎岳山頂で行動食を摂り、10分くらい休憩したのち出発。

ザレた緩い道を下ったあとは、真砂岳をトラバースする道を歩くことになる。
本当は行く必要もないのだが、あまりに天気が良いのでザックを下ろして真砂岳山頂へ登ってみる。山頂にはケルンが積んであり、小さいながらもきちんと標識まであった。


真砂岳山頂
真砂岳山頂


真砂岳のトラバースを終えると、水晶小屋までの岩稜尾根が始まる。途中にゴーロもあったりする。
滑落してしまいそうな箇所は特にないが、いくつもの小さいピークがコブのように連なっていて、登って下ってを繰り返すことになるので通過するのがシンドイ。
おまけに、後立山連峰と立山連峰にかけられた吊り橋みたいな尾根なので、回廊を吹き抜ける風が直撃する。この季節はまだ問題はないが、厳冬期のこの尾根通過の厳しさは想像に難くない。

景色は素晴らしい。槍の北や西の鎌尾根、手前の硫黄岳と硫黄尾根の脈筋まではっきり見えるし、反対側には黒部湖が見え、白馬岳や五竜岳も見える。


黒部湖方面を望む
黒部湖方面(拡大)、真ん中奥の三角形のピークが白馬岳


水晶小屋直下は急登で少し崩落している。ただし、小屋の人たちによって階段がつけられているので無雪期は特に問題なさそうだ。

水晶小屋はすでにシーズンの営業を終えていた。


小屋閉め後の水晶小屋
小屋閉め後の水晶小屋


水晶小屋 ~(黒部源流ルート)~ 三俣山荘
所要時間:2時間30分

緩やかな道を歩き、岩苔乗越にある分岐点へ。右手には雲ノ平が広がっている。


雲ノ平方面
雲ノ平方面(拡大


当初は雲ノ平へ行くことを考えていたが、シーズンが終わってしまい高天ヶ原温泉に入れないのでそのまま双六山荘へ向かうことにした。しかし、温泉を差し引いても雲ノ平は魅力的だ。誘惑を抑えつつ、今回は我慢をする。天候の崩れも心配で、下手すると停滞を余儀なくされるかもしれないので。

岩苔乗越の分岐から三俣山荘へは、鷲羽岳山頂ルートではなく、コースタイムの短い下の黒部源流ルートを通ることにする。すでに12時を過ぎてしまっていて時間的な問題もあるし、体力的な問題もあったから。

下り始めるとすぐ、水の湧き出ている場所がある。今回のように南下する場合、この先は水が豊富なのでわざわざここで補給する必要もないが、逆に後立山方面や赤牛へ向かう場合は最後の水場となる。


岩苔の水場
岩苔の水場案内の看板


沢筋の道を下って行き、源流の碑を越えると登りに入る。やはり沢筋の道を登っていくと、間もなく三俣山荘に至る。時刻は14時、ちょっと遅めの時間だ。


鷲羽岳と黒部源流碑
鷲羽岳と黒部源流碑



三俣山荘 ~(巻き道)~ 双六山荘
所要時間:2時間

三俣山荘から双六山荘までのコースタイムは一番下の巻き道を使えば2時間30分、この季節なら行動可能だ。ついでに言えばこの道は10回以上通っているし、この日は天候も安定している。少し疲れはあるが、体調も特に問題はない。

そういうわけで、双六山荘まで進むことにする。三俣蓮華の分岐点からは楽でコースタイムの短い一番下の巻き道を行く。

双六山荘には16時ちょうどに到着。テントを申し込む。さすがに双六山荘にはテント客もいた。


双六山荘
日も傾き始める頃、双六山荘に到着


夜になるとガスが濃くなってきた、すぐ眼の前の樅沢岳も見えない。翌日は悪天候の中の山行となりそうだ。




7日目 - 最終日 / 双六山荘 ~ 笠ヶ岳 ~ 新穂高温泉(下山)


コースタイム
[双六山荘] 06:15 ~ 07:05 [弓折乗越] 07:15 ~ 07:30 [大ノマ乗越] 07:30 ~ 08:50 [秩父平] 08:55 ~ 09:50 [抜戸岳分岐] 10:00 ~ 10:50 [笠ヶ岳山頂] 11:00 ~ 11:50 [抜戸岳分岐] 12:00 ~ 15:30 [左俣林道出合] 15:40 ~ 16:30 [新穂高温泉]
日付
10月3日(日)
天気
曇り 時々 霧、ところにより 雨
地形図
三俣蓮華岳 笠ヶ岳
ガイドマップ
『剱・立山』(山と高原地図・昭文社) 『槍ヶ岳・穂高岳』(山と高原地図・昭文社)
水場
・笠ヶ岳山荘のテント場から少しおりた場所にある。
・左俣林道から笠新道への登り口にあり湧き水あり。
小屋・幕営地
笠ヶ岳山荘は営業小屋。営業期間は6月下旬~10月中旬。テント幕営地あり。トイレあり。売店あり。
その他コース情報
笠新道、長すぎ!
データ
→ 【 この日の行程 】 , → 【 ルート断面図
備考

コース概説


いよいよ最終日、新穂高温泉街へ下山をする日。
出発する時は雨こそ降っていなかったものの霧が濃く、雨具をつけないと服や装備がぐっしょりと濡れてしまうような湿り気のある空気だった。

この日は、弓折から鏡平方面へは下らずにそのまま笠ヶ岳へ登り、笠新道を使って新穂高へ下山するという計画だ。



双六山荘 ~ 秩父平
所要時間:2時間30分

双六山荘を出ると木道もあり、道が整備されている。50分ほどで分岐のある弓折乗越に到着する。


弓折乗越の分岐指導標
弓折乗越の分岐


分岐から弓折岳山頂(2588m)へは数分の距離。ここには何も無いので、そのまま通り抜ける。
弓折岳を下りきると、今度は大ノマ岳の登りが始まる。特筆すべき箇所もなく、また周りはガスで視界はほとんどないので、過ぎていく時間だけが進んだ距離の目安となる。距離を稼ぐだけの、いわば機械的山行だ。


大ノマ岳への登り
ガスの中の大ノマ登り


大ノマ岳(2662m)の山頂から下ってしばらく行くと、開けた場所に出る。ここが秩父平だ。夏の間に溶けてしまって雪渓はなかった。



秩父平 ~ 抜戸岳分岐
所要時間:1時間

秩父平から少し急登を上がると、砂礫のゆるい稜線に出る。登山道をトレースして抜戸岳のピークの巻き道を行き、そのままトラバースしていくと指導標が見えてくる。笠ヶ岳へ向かう道と笠新道を下りていく道との分岐点だ。


抜戸岳分岐
抜戸岳の分岐点


75Lのザックは濡れないようにカバーだけ付けてここに置いておき、サブのザックに水と行動食と貴重品類を入れて、笠ヶ岳へピストンする。



抜戸岳分岐 ~ 笠ヶ岳山頂 ~ 抜戸岳分岐 (空身ピストン)
所要時間:2時間

笠ヶ岳への途中にある岩
笠ヶ岳への道


分岐から笠ヶ岳山荘まではアップダウンのないトラバースの道が続く。面白い形の大きな岩が居並ぶ中を通り抜け、さらに30分ほど行くと、石にいろいろな励ましメッセージが書かれた笠ヶ岳山荘のテント場にたどり着く。
段々畑のようなテント場だ。ちなみに、水場は道から少しはずれた場所にある。


笠ヶ岳山荘テント場の水場案内
水場を案内するペンキマーク


テント場を抜けると、笠ヶ岳山荘に到着する。屋外で作業をしている小屋の方がいて、今シーズンのお客の数は多かったかとか、荷揚げヘリはどこから飛んでくるのかなどと少し同業者的な会話をしていたら(この夏は自分も北アルプスの他の小屋で従業員として過ごした)、中でコーヒーを飲んでいけという話になって、結局30分くらい話し込んでしまった。

小屋を辞して瓦礫の道を登ること5分、山頂に到着する。
笠ヶ岳は標高2897mで、百名山の一座。



笠ヶ岳山頂
笠ヶ岳山頂

山頂でも相変わらず霧が濃く展望がゼロなので、数分で下山に入る。今来た道をそのまま分岐点まで戻る。
途中で道草も食ったが、予定どおり2時間のピストン。



抜戸岳分岐 ~(笠新道)~ 左俣林道出合
所要時間:3時間30分

あとは、笠新道をひたすら下っていくだけだ。

杓子平まではやや急なガレた道を、ペンキマークに従って下りていく。

杓子平を過ぎると、樹林帯の道をジグザクに折り返しながら高度を下げていくのだが、ここが長い。
白い世界の中、代わり映えのしない道を何十回と折り返していると、実はさっきから同じところをぐるぐると(収束せず無限ループするプログラムみたいに)繰り返しているだけなのではないかと疑いたくなってくる。

正面に見えている西穂の上の方はやはりガスに覆われていて、高度をどれくらい下げたのか把握しづらいし、展望も相変わらず良くない。ただ、道の木々は紅葉していて、目を楽しませてくれる。


紅葉の中の笠新道
紅葉の中の笠新道


沢音やロープウェーのモーター音が近づいてくると、随分下りてきたことを実感する。やがて長かったジグザクの道も終わり、程なく林道との出合に到着。時間は15時30分。冷たい湧き水を飲み、人心地つく。


笠新道と左俣林道の出合
左俣林道にある笠新道の登り口



左俣林道出合 ~ 奥飛騨温泉郷総合観光案内所
所要時間:50分

あとは、林道を歩いてバスターミナルの方まで歩くだけ・・・なのだけど、実は1つ問題が残っていた。今晩の宿だ。
ターミナルの近くには野営出来るキャンプ場があるし、ついでにどこかで温泉に入ればいいというつもりだったけど、今晩は雨だし、出来ればどこか空きのある宿があれば泊まりたい。

とりあえず、50分ほど歩いてバスターミナルの前にある観光センターまで行く。「奥飛騨温泉郷総合観光案内所」で、ダメ元で今から泊まれる(しかも出来るだけ安い)宿泊施設がないか聞いてみると、あちこち電話をして探してくれて予約まで取って下さいました。ラッキー&大感謝! ありがとうございます!


奥飛騨温泉郷総合観光案内所
偉大なる “奥飛騨温泉郷総合観光案内所” 様!


その晩は久しぶりの風呂に入り、乾いた布団でぐっすり寝る。
爽快な気分で翌日に東京へ帰還。とっても充実した7日間でした!


おわり。




【関連記事】
 ○ 前編
 → 「後立山から新穂高温泉への縦走(八方尾根~新穂高温泉) ~ 前編」


【関連山行】
 → 栂海新道から後立山縦走(親不知~唐松岳)
 → 上高地から黒部ダム縦走(上高地~赤牛岳~黒部ダム)



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