山とスキーとローゼンメイデン

登山、スキーについてのブログです。 また、ローゼンメイデンについての記事も書いています。

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TALE18 / 次の扉
みんなで時間の止まったあの時間に帰るの!

真っ白な世界の中で、真紅は意識を失っている。
そして声を聞く。その声は自分の名前を呼んでいる……。

真紅は目を覚ます。
そこは水晶の柱が林立している世界だ。nのフィールドに無数に点在する世界の1つに違いない。

 「ようやくお目覚め?いばら姫」

傍らに立っていた水銀燈が話しかける。
さっき真紅を呼んでいたのは水銀燈かもしれないし、他の誰かが遠くから呼びかけていた声なのかもしれない。しかし、真紅にはわからない。

ここはどこかと尋ねる真紅。

 「ここは第42951世界……私の世界ですわ お姉さまがた」

と、雪華綺晶がどこからともかく問いかけに答える。
どうやら、真紅と水銀燈は雪華綺晶の世界に捉えられているようだ。

 「第七ドール……何処に隠れたの?姿を現しなさい!」

水銀燈は決着をつけましょう、と言う。


 「…いいえ、いいえ、お姉さま」

姿の見えない雪華綺晶が応える。

 「こんな無様な姿をお見せする訳には、いきませんわ……」


自分の世界にいるのに、雪華綺晶は姿を保つことが出来ないほどダメージを受けたようだ、と真紅は言う。
というのも雪華綺晶は実体を持たず、イメージだけで自分の姿形を作り上げていかないといけない。それが、水銀燈にはこっぴどく存在を否定され、マスターになってもらいたかったジュンとは契約を結べず、そして、器にしようとしていた蒼星石のボディには拒絶されて追い払われてしまったのだ。何もかもがうまくいかない……。
雪華綺晶でもこのようなことが続けば、自分をいつも通りに保つのは難しいことなのだろう。


その、雪華綺晶を追い出した蒼星石のボディはどうなったのか。

ジュンと指輪の契約を交わすことで、蒼星石のボディは意識を取り戻した。
でも、蒼星石のローザミスティカ ――ドールの動力源であり魂ともいえるもの―― は水銀燈の体に入ったままで、出てきてはいない。
ということは、雪華綺晶が立ち去った後の蒼星石のボディは、今は空の器となっているはず。

 「蒼星石はどうなったの!? 貴女が離れた後の蒼星石のボディは…!?」

その真紅の質問に答えたのは意外な人物だった。

 「ここだよ」

なんと蒼星石本人が立っていた、翠星石を抱きかかえて……。



驚く水銀燈と真紅。
だけど、それが本物の蒼星石という保障はない、雪華綺晶はまやかしを得意とする。
そして何より、蒼星石のローザミスティカは水銀燈の体内にあるのだ。動けるはずがない……。
水銀燈はそう考える。


 「…呼ぶ声が聞こえたんだ」

蒼星石は静かに、ゆっくりと語りだす。

 「最初はあたたかい指の感触と……『僕だけのドールを』というすがるような声」


蒼星石は、目を瞑ったままの翠星石に視点を落とし、話を続ける。

 「それから…繰り返し誰かの名を呼ぶ懐かしい声」

その声は蒼星石の名前を呼んでいた。

蒼星石は意識の迷子となり、名前を失って帰る場所がわからなくなっていた。
それを呼び戻したのは、まかない世界で蒼星石を作ったジュンと、蒼星石を想い呼び続けていた翠星石だった。

まいた世界の中学生のジュンがそうであったように、まかなかったジュンもやはりマエストロなのだ、と真紅は考える。


おそらくこの蒼星石は、雪華綺晶ではないのだろう……。 それでも疑問は残る。

 「あの子のローザミスティカは私の中なのよ?」

と水銀燈は言う。

 「エーテルである器が二つ足で立つにはローザミスティカが必要不可欠だわ」


蒼星石はやはり落ち着いた口調で説明をする。

蒼星石と翠星石は双子だ。もちろん外見的にも合わせ鏡のように対となっている。
しかし、双子たる所以はそれだけではなかった。
元々ローザミスティカは1つの塊りを7つに分け、それぞれのドールに与えたものだが、とくに翠星石と蒼星石、この二人のローザミスティカは、重ねると貝合わせのようにピッタリと1つになるような双子石であったという。

1つのローザミスティカを分かち合って生まれたローゼンメイデンのドールたちだが、他の姉妹に自分のローザミスティカを与えたところで、それがきちんと機能してくれるわけではない。むしろ拒絶反応のようなものが起こって、ドールが壊れてしまう危険性があるのだ。それは、翠星石と蒼星石とて例外ではないはずだ。

それでも、翠星石は蒼星石の復活を願い、賭けに出たのだ。自分と蒼星石、双方が壊れてしまう可能性があることを承知の上で。

 「…でも君はそれもわかっていて、僕を取り戻そうとしてくれたんだ」

そして、奇跡的にこのローザミスティカの移植は成功した。
翠星石のローザミスティカは、骨髄のHLAタイプが一致するように、拒絶を受けることなく蒼星石の体にぴったりと収まり、その機能を継続させている。

しかし当然ながら、双子の妹に自分のローザミスティカを与えた翠星石が、今度は物言えぬ人形となってしまったのだった。


蒼星石は、自分が一度アリスゲームにおいて敗者になったことを認める。
翠星石の自分への行為を受け止める一方で、尚、翠星石に縛られている自分の半身を断ち切りたいという気持ちは残っているはずだった。しかも、今は自分の中に翠星石がいるのだ……。


 「あるべき形に戻そう 翠星石のローザミスティカは翠星石に」

…そして僕は…
蒼星石の言葉は、そこでとぎれる。

 「とにかく今はここから出ることを考えよう」



第0世界を打ち砕いたまかなかった世界の大学生のジュンは、金糸雀と一緒にnのフィールド内にいる。中学生のジュンの姿は、そこにはない。
元の世界に帰ることのできる、まかなかった世界へ通じる扉を探しているが、なかなか見つけられない。

 「ここも違う…」

ジュンはいくつ目かもわからない扉を開けては嘆く。


 「あのね? もしかしたらよ?」

金糸雀がジュンに声をかける。

 「このまま戻っても、ちゃんと戻れないかも…かしら」


よく飲み込めないジュンに、金糸雀は説明をする。

もしこのまま戻っても、真紅と出会うことなく進んでいたであろうまかない世界、つまり真紅と出会ってからジュンが行ったことは、全てなかったことにされてしまっている世界へ帰ることになる、というのが金糸雀の推測だ。
まかない世界に本来いないはずのローゼンメイデンが存在することは、世界にとっては負担であり、歪みのようなものを生じさせていた。そこへ、真紅のタイムリミットがやってきた。ローゼンメイデンがまかない世界から消えことによって、歪みは一気に反発、真紅が来る直前の時間まで巻き戻される。そこからローゼンメイデンがいない、あるべき姿のまかない世界となって今へと至る、というわけである。


斉藤さんや劇団のみんなと舞台を一緒に作ったことも、何もかもが最初から無かったことにされると聞いて当惑するジュン。

金糸雀は言う。

 「みんなで、時間の止まったあの時間に帰るの!そうすればきっと…!」

 「よし…! じゃあまずは真紅たちのいる場所を探そう」

と、ジュン。


でも手がかりは……と思う間もなく、金糸雀がジュンの服に付着した白い糸のようなものに気が付く。
ジュンを巻いていた、雪華綺晶の茨だった。



一方、雪華綺晶の世界に閉じ込められている真紅と水銀燈、蒼星石、そして物言わぬ翠星石。
天井や壁にいくら衝撃を与えても、壊すことができない。外へ出る手段は見つからない。

 「蜘蛛が捕らえた獲物をすぐに殺さず糸で巻いて弱らせるように 僕らをここに留まらせておくつもりなんだろう」


 「雪華綺晶どこにいるの!? 答えなさい!」

水銀燈が雪華綺晶に呼びかけるも返事はない。もうどこかへ行って、回復をはかっているようだ。


打つ手がなくなったと思われたとき、天井が外から破壊されて穴があく。
そこから、怪獣のように大きなジュンの顔がのぞきこむ。ジュンは服に付着した雪華綺晶の茨を辿って真紅たちのいる場所まで来たのだ。

ジュンが手を差し入れ、みんなを救い出そうとするが触れることが出来ない。目では見えているが、何か次元を違えているような、そんな隔たりを感じさせる。


 「末妹はまやかしが得意なのかしら! 本当の真紅たちの居場所は隠されている!」

金糸雀はnのフィールドで、まいたジュンを守りながら雪華綺晶をやり過ごしてきたから、相手の手の内をよく知っている。


 「残像…残像…そうだわ! ピチカート!」

金糸雀は何かを思いつく。そして、ヴァイオリンを出して構える。

 「ここからはカナにおまかせ! かしら」




次回は50号(11/12発売)掲載予定


【 今回の概要 】
蒼星石が蘇る。それは、双子の翠星石が自らのローザミスティカを蒼星石に入れたから。翠星石は蒼星石を取り戻すことが出来たが、自分は動けない人形になってしまった。
一方、まかなかったジュンは自分の世界に戻るために、みんなを取り戻すことを決意した。



【 今回の考察 】
まず、結菱一葉と桜田ジュン、この二人の蒼星石のマスターの対比は面白い。
結菱氏は自分をがんじがらめに捕えている壁を打ち破ることが出来なかった。その壁は蒼星石によって砕かれる。ジュンは自らの力で壁を打ち壊す。
そして結果的に、結菱氏は蒼星石を“死”に追いやり、ジュンが蘇らせることになる。

まかなかった世界に雪華綺晶が登場したとき、時間は止まった。ラプラスの魔やローゼンといった、いわゆる神のように超越した存在が何か意図して時間を止めたと思っていたが、今回の金糸雀の説明から考えると、イレギュラーズである真紅たちローゼンメイデンの存在が世界を歪めていき、ついにまかない世界に3人目のドール・雪華綺晶が舞い降りると、歪みが限界に達して時間が止まった、そんなところのようだ。

金糸雀は、元のまかない世界に帰るには、みんなで帰る必要があると言う。しかし、仮の真紅の体はタイムリミットを迎えている、だとすると真紅の本体を探す必要がありそうだ。



<TALE 18>
掲載:週刊ヤングジャンプ 2009年45号 / 10月8日(木)発売
ページ数:26ページ
登場人物:真紅、水銀燈、蒼星石、(物言わぬ)翠星石、まかなかった世界のジュン、金糸雀

ヤングジャンプ 2009年 10/22号 [雑誌]


[ 関連ページ ]
前回 TALE 17
ローゼンメイデン原作の全話レビュー
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