山とスキーとローゼンメイデン

登山、スキーについてのブログです。 また、ローゼンメイデンについての記事も書いています。

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ローゼンメイデン tale23

TALE23 / タイムリミット

真紅を救え!!


■ 世界は鼓動を取り戻す

 「ア…あ…」

ジュンに拒絶された雪華綺晶は、言葉にならない叫び声を上げて白い茨を伸ばしてくる。

時計は動く気配こそあるものの、雪華綺晶の妨害により、いまだ、まかない世界を元の姿に戻す力を宿していない。


 「あと少し…持ちこたえなくては…!」

真紅たちも一丸となり、雪華綺晶の攻撃に対抗する。

 「双子のガーデニングを完遂させるのだわ!」


雪華綺晶の体は弱っている上に、相手は4人だ。
とうとう諦め、悲しみに満ちた声を残して、消え入るように何処かへ去っていく。


そして、双子の庭師が育んた枝がついに伸びきる。
その先端は二股に分かれ、まいた世界とまかなかった世界への道を指し示す。

――僕が選び取った世界

時計が動き出す、時は再び刻まれ始める。
世界は鼓動を取り戻したのだ。

 「時計が… やったな真紅!」

ジュンは、時計が動き出すのと同時に倒れた真紅を受け止めて話しかける。
おそらく安心して、体の力が抜けたのだろう……と考える。

しかし、真紅の様子がおかしい。


 「真紅…?」



■ 雛苺の願い

縄を谷底に落としてしまったことで、真紅本体の側にいたベリーベルが、崖の上にいるまいたジュンたちの存在に気がついたようだ。

ベリーベルと意識が宿る雛苺のローザミスティカは、今までずっと守ってきた真紅の本物のボディを、縄に巻きつけて崖の上まで運び上げる。


 「今度は、真紅を起こしにきてくれたんだな…」

と、まいたジュンは言う。
以前、雛苺がジュンに言ってくれた言葉を思い出す。

――ヒナが起こしてあげるから…

雛苺は、誰にも起こしてもらえずに、鞄の中で一人で眠り続けるさみしさを知っている。
他の人にはそういう思いをして欲しくないという優しさから出た言葉であり、雛苺の願いだ。

ラプラスの魔も、雛苺のやさしさを見て感涙にむせぶのだった。


 「けれど…おや? 悲しいかな、そろそろ」

ラプラスの魔が、時計を見て言う。

 「時間切れのようですよ」



■ 2つのタイムリミット

 「真紅? どうした?」

ジュンは、真紅の異変に気がつく。


次の瞬間、突然、真紅の体が土のように崩れ始める。

ジュンは、目の前で起こったことが理解出来ない。
バラバラの破片となった真紅を見ても、現実として受け入れることができないようだ。


 「言ってあったはずよ」

水銀燈が、ジュンに言う。

 「レプリカのボディは、時が来れば千々に砕けるって」


それが貴方の選び取った世界の答えよ


真紅のレプリカの体にタイムリミットがやってきて、世界に存在を抹消されたのだ。

レプリカであれ、同じドールが2体存在することは許されない。 それは世界の大原則だ。 世界は真紅のレプリカの存在を認めない。
世界を選びとるということは、同時に、その世界の原則やルールも受け入れなければならない。

ジュンは、自分が元の世界に戻ることだけに気を取られ、真紅が消えてしまうことを忘れていた。


一方、時計を動かしたことで、蒼星石にも「タイムリミット」が訪れる。

 「さあ、蒼星石、約束よ」

そう言って、水銀燈は手を差し出す。

水銀燈は、一時的に蒼星石にローザミスティカを戻し、時計を動かし得たら、改めて正式に譲渡してもらう取引きを蒼星石と交わしていた。


それを聞いて、怒り出す翠星石。
蒼星石は、双子の姉をなだめる。

 「いいんだ、これは僕と水銀燈との約束…」

いや…契約なんだ、と蒼星石は言い直す。


 「や…約束したですよ… も…元の世界に…」

翠星石は泣き出してしまう。

 「ずっと…ずっと一緒にいるって…」


だが、蒼星石は「契約」を履行する覚悟を決めている。

 「ごめんよ…」



■ 運ばれて来た希望

粉々になったレプリカの真紅のパーツを、必死にかき集めるジュン。
しかし、拾う端からパーツはさらに細かく崩れてゆき、砂のようになってしまう。

ジュンは、自分の選択が招いた必然の結果に、改めてショックを受ける。
そして、自分が正しい決断を下したのか自信を持てなくなる。

 「もう僕には、何も出来ないのか」

ジュンの心に迷いが生じる。


 「諦めるな!!」

そこへ、まいた世界のジュンが現れる。

 「まだ間に合う!」


金糸雀も一緒にいる。
まいたジュンの手には鞄が握られていた。


 「受け取れ、まかなかった僕」

そう言って、まいたジュンは持ってきた鞄を開く。

 「真紅を救え!!」




次回は19号(4/8発売)掲載予定


【 今回の概要 】
雪華綺晶を退け、ついにジュンたちは止まっていた時計を動かすことに成功する。だが、世界が鼓動を取り戻すことで、真紅の仮の器にもタイムリミットが訪れる。砕け散った真紅を見て、自分の選択に後悔の念を抱くジュン。そこへ、まいた世界のジュンが鞄を持って現れる。



【 今回の考察 】

「契約」と「約束」
水銀燈は「約束」と言い「契約」と区別なく使っているが、蒼星石はわざわざ「契約」と言い直している。
この2つの単語を辞書で調べてみると、実際、同義語として載っている(「契約」の方は法律用語として用いられる、ともある)。一般的に使う場合は明確に区別しないことも多いが、ニュアンスとして「契約」の方が拘束力が強く、形式ばってる感じがする。一方の「約束」は、親しい者同士が感情的に、お互いを信じて交わされる感じがする。
ローゼンメイデンのドールズにとっては、薔薇の契約という言葉があるように、特に「契約」は重要な意味を持つ気がする。敢えて、蒼星石が「契約」という重い言葉を使ったのは、実直な性格のためかもしれないが、翠星石を説得する(契約だからしょうがないと思わせる)ためと、自分自身の心の迷いを振り払うためかもしれない。
また、蒼星石が「契約」を重要視しているのに対して、翠星石が「約束」を大切にしているのも、双子の対比として面白いと思う。


雛苺の「ヒナが起こしてあげるから」は、旧シリーズPHASE 30でのセリフ。



<TALE 23>
掲載: 週刊ヤングジャンプ 2010年15号 / 3月11日(木)発売
ページ数: 25ページ
登場人物: まかなかったジュン、まいたジュン、水銀燈、金糸雀、翠星石、蒼星石、真紅、雪華綺晶、ラプラスの魔、雛苺の意志

ヤングジャンプ 2010年 3/25号 (Amazon)



[ 関連ページ ]
前回 ローゼンメイデン TALE 22
ローゼンメイデン原作の全話レビュー
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